加計も森友も共に晋三&明恵疑獄事件である


【加計疑惑】これが設計図だ 「水増し請求詐欺」裏付ける安普請
田中龍作

工事関係者から流出した加計学園獣医学部棟の設計図は、A3版52ページから成る。建築材料すべてが一つ一つ指定されているため、建設コストがわかる。
 急ピッチで建設が進む加計学園今治キャンパス。『田中龍作ジャーナル』は、キャンパスの中心となる獣医学部棟の設計図を入手した。
 実験施設や教室などが入る建物は、鉄骨造7階建て。設計図はA3版52ページに及ぶ。ひとつひとつの材質、工法に至るまで全てが指定されている。
 建設会社は設計図を見て入札価格を決めるという。果たして192億円もする施設の中心棟なのか? 著名な1級建築士に日数をかけて解析してもらった。
 「図面番号A‐02(図面名称・仕上表)」に床、壁、天井などの材質が指定されている。建築士は「ここがミソ」と力を込める。
 「ビニル床シート、ビニル床タイルは一番安い。壁のビニルクロス塗装も安い。天井の化粧石膏ボードは廉価なオフィス使用」…建築士は「安い」を連発した。
 「図面番号A‐16(断面図)」を見た時は「えっ!ホントかな?」と呆れたという。
 「床下に電線やインターネットLANを通すための床上げをしていない」のだそうだ。「倉庫レベルの仕様。安い。最低限」と吐き捨てた。
 建築士は「坪単価70万円から80万円。どの建築家に見せても同じようなことを言うと思うよ」。
 加計学園の提示は坪150万円。建築士の見積もりの2倍である。
 「安普請であることは確か」。建築士は締めくくった。
「図面番号A-34」:最上階にはパーティールームも。ワインセラーはパントリーの中に置かれる。原資は今治市民の血税だ。
 酒好きで鳴る加計孝太郎理事長の指示があったのか、どうか分からないが、最上階はパーティールームとなっており、ワインセラーもある。
 流出した設計図が示す結論はこうだ ―
 施設費は192億円もしない。最大で80億円も水増し請求がされているのである。(著名な1級建築士の見積もりが正しければ)
 獣医学の専門家と農水省の元技官にも設計図を見てもらった。5階部分には実験設備もある。
 加計学園側は「BSL(バイオセイフティーレベル)3」の施設を作ると説明している。レベル4まであり、数字が高くなるほど扱うウイルスの危険度は増す。
 ところが設計図を見るなり2人とも「これレベル2ですね」と指摘した。




■ ライフ
私だけ割を食ってる被害者意識で怒る人
PRESIDENT Online

精神科医 片田 珠美
元管理職と若手社員、正社員と非正規、ワーママと独身女性……。双方が、「自分だけが割を食っている」と怒り、陰で相手の悪口を言い、ときに罵る。「自分には、加害者である相手に鉄槌を与える権利がある」。なぜそんな心理を抱くようになるのか。精神科医の片田珠美氏が解説する。
自分だけが割を食っていると考える人たち
企業でメンタルヘルスの相談に乗っていると、「自分だけが割を食っている」と被害者意識を抱いている人が多いことに驚く。
たとえば、役職定年制を導入している会社でポストオフになった元管理職である。一定の年齢に達すると、管理職から外れて平社員と同じ仕事をすることになるのだが、これがなかなか受け入れられないようだ。
「30年以上も会社のために頑張ってきたのに、肩書も権限もなくなり、おまけに給料も下がった」
そんな怒りが募り、モチベーションを保つのが難しい。中には、ポストオフを「もうあなたには期待していません」という会社からの肩たたきと受け止めて、「しょせん頑張っても同じだ」と意気消沈する元管理職もいる。
▼元管理職vs.若手社員 怒りの源はいずれも「自分は被害者」
困ったことに、ポストオフになった元管理職はしばらく現場の仕事から離れていたので、慣れるまでに時間がかかる。また、手の動きが遅いので、パソコンを使用した書類の作成などは、1日にこなせる量が若手社員と比べると少ない。そのうえ、モチベーションも低いのだから、年下上司や若手社員の目には「働かないオジサン」のように映ることもある。
そのことを面と向かって元管理職に言うわけにはいかず、若手社員は「働かないオジサンのせいで、こっちの仕事が増えて大迷惑だ」と陰口をたたく。一方、元管理職のほうも「これまでは管理職でバリバリやっていたのに、こんな誰でもできるような仕事なんか、やってられるか」と愚痴をこぼす。
正社員vs.非正規 互いの愚痴の源も「自分は被害者」
このようにお互いが被害者意識を抱き、不満と怒りを募らせることは、非正規社員と正社員の間にもあるようだ。非正規社員は「正社員は高い給料をもらっているのに、ろくに働かず、面倒な仕事は全部私たちに押しつける。それなのに、仕事がなくなったら真っ先に切られるのは私たち」と愚痴をこぼす。
一方、正社員は「非正規社員には、責任感のない人が多い。注意したら、次の日から来なくなる。それに残業もしないので、何かあったら私たちが尻拭いをさせられる」と不満を漏らす。
▼ワーママvs.独身女性 共に腹が立つのは「自分が報われないから」
同様の関係は、育休明けで時短勤務をしている女性社員と独身の女性社員の間にも見受けられる。
時短勤務の女性社員が「勤務時間は短いのに、フルタイム勤務と同じ成果が求められる。そのくせ、給料は少ない。育児、家事、仕事で大変な思いをしているのに、早く帰る時に白い目で見られて、腹が立つ」と愚痴をこぼせば、独身の女性社員も「時短勤務の社員が早く帰るので、その分私たちの仕事が増える。こっちが尻拭いしてあげているのに、そのことへの感謝もないので、報われない」と不満を漏らす。
こうした関係は、家庭や社会でも認められる。
▼共働き世帯の夫vs.妻 「家事をやらされている自分」はかわいそう 
たとえば、共働きの家庭では、「私も働いているのに、家事も育児もほとんど私がやっている。たまに夫が手伝ってくれても、お皿に汚れが残っていたり、洗濯物がしわくちゃになったりするので、結局私がやり直さないといけない」と愚痴をこぼす妻が多い。
一方、夫も「夜遅くまで働いてクタクタに疲れて帰っているのに、『全然手伝ってくれない』と愚痴を聞かされる。土日くらいはゆっくり休みたいのに、『私も働いているんだから、休みの日くらい手伝って』と頼まれる。手伝っても、『やり方が悪い』と文句を言われるので、腹が立つ」と不満を漏らす。
「このハゲーー!!」豊田議員の怒りの発火点も「被害者意識」
社会に目を向けても、自分たちの払っている年金保険料が高齢者に奪われているように感じて怒りを覚える若者と、長年真面目に働き年金保険料を納めてきたのに、その割には受け取る年金額が少ないと不満を募らせる高齢者の間に同様の関係があるように見える。
このように自分こそ被害者だとお互いに思い込んでいるのが、日本の現状だ。被害者意識が強くなると、“加害者”とみなす相手に対して怒りを覚え、罰を与えたいと願うようになる。そのため、どうしても攻撃的になる。
▼「自分は被害者。“加害者”である秘書に罰を与えるのは当然」
たとえば、秘書に対する暴言と暴行が週刊誌で報じられ、自民党を離党した豊田真由子衆院議員。豊田氏が「この、ハゲ?っ!」などと暴言を吐いたのは、支援者などのバースデーカード47人分の宛先を間違えた送付ミスに対する怒りのせいらしいが、この怒りの根底には強い被害者意識が潜んでいた可能性が高い。

「送付ミスのせいで、支持者に謝罪しなければならなくなったのだから、自分こそ被害者」という思い込みが、豊田氏の暴走の一因のように見える。こうした被害者意識を抱くことが妥当か否かはさておき、少なくとも豊田氏本人は、「自分は被害者なのだから、“加害者”である秘書に罰を与えるのは当然」と考えたのではないか。
同時に、豊田氏の胸中には恐れもあったと考えられる。送付ミスが支持者を怒らせたら、次の選挙で投票してもらえず、落選するのではないかという恐れである。
エリートであるだけに、自分自身が手に入れた肩書や特権への執着も、それを失うことへの恐れも人一倍強いはずだ。この恐れが豊田氏の怒りに拍車をかけたことは想像に難くない。
このように怒りが恐れから生まれることは、豊田氏に限らず誰にでもある。
失敗した部下を怒鳴りつける上司の「胸の内」
たとえば、大きな失敗をした部下を怒鳴りつける上司の胸中に、部下の失敗のせいで会社幹部から叱責されたらどうしよう、責任を取らされて飛ばされたらどうしようという恐れが潜んでいることは少なくない。
つまり、恐れているからこそ怒らずにはいられないわけだが、この恐れをかき立てるのが被害者意識である。
というのも、被害者意識が強いほど、理解してもらえないとか、ないがしろにされていると感じやすく、「うまくいかないのではないか」「状況がさらに悪くなるのではないか」という恐れに常にさいなまれるからだ。
▼上司、同僚、妻……誰も「僕のつらさをわかってくれない」
自分が怒りっぽいことに悩んで相談にやって来たある男性会社員は、次のように私に訴えた。
「認めてもらえないのではないか、ぞんざいに扱われるのではないかと不安に感じて、人と接するのが怖い時ほど怒ってしまうんです。でも、これは僕がひどい目にばかり遭っているからなんです。職場の上司は理解してくれないし、同僚も足を引っ張るやつばかり。妻も僕のつらさをわかってくれない」
自分自身の怒りっぽさを他人のせいにしており、被害者意識が強い印象を私は受けたが、「怖い時ほど怒ってしまう」という言葉は本質を突いている。強い被害者意識を抱いているほど、恐れにさいなまれ、怒らずにはいられないのが人間である。

しかも、被害者意識と恐れが強いほど、怒りが激しくなり、“加害者”とみなす相手に罰を与えることを正当化する。これは、「自分は理不尽な仕打ちを受けた被害者なのだから、少々罰を与えても許される」という思い込みによる。
“正義の鉄槌”を下すことに酔いしれて暴走
客観的にはどうであれ、少なくとも本人はそう思い込んでいる。そのため、攻撃的な言動に歯止めがかからない。むしろ、正義は自分の側にあると信じているので、しばしば“正義の鉄槌”を下すことに酔いしれて暴走する。
その典型が豊田氏だが、現在の日本社会には豊田氏予備軍が大勢いるのではないかと危惧せずにはいられない。強い被害者意識を抱き、喪失への恐れにさいなまれている人が少なくないからである。
さらに、“加害者”とみなされて攻撃された側も、今度は自分こそ被害者なのだから罰を与えても許されるという論理で仕返しをする可能性が高い。そうなれば、仕返しに次ぐ仕返しで、攻撃の連鎖が起こるのではないだろうか。