危機に際する民主主義が黎明時代となるか臣民時代となるか?

■ ライフ
連合の「残業代ゼロ」容認は存在意義を揺るがす
小宮山洋子

安倍総理と連合の神津会長は、昨日13日、高収入の一部専門職を残業代支払などの労働時間規制から外す新しい制度を含む労働基準法改正案を巡って、年104日の休日義務付けなどの働き過ぎを防ぐ措置を強化するよう修正する方向で一致した、と報じられています。

この高度プロフェッショナル制度は、高度な専門職で年収1075万円以上の人を対象に、労働時間規制や残業代支払いから外し、仕事の成果に応じた賃金にする制度です。

これは、当初はホワイトカラー・エグゼンプションと提案され、残業代ゼロ法案、過労死推進法案などとして、野党や連合が猛反対して、何度も廃案にしてきたものです。

神津会長は、「いまの法案がそのままの形で成立してしまうことは、私どもの責任としては耐えられない。できる限り是正をしないといけない。」などと述べ、政府の要請受け入れを条件に容認する考えを表明しました。

政府と連合の交渉は、逢見事務局長や村上総合労働局長など事務局の一部のメンバーで進められてきた、ということです。

連合案は、104日の休日取得を義務付けた上で、2週間連続の休日取得等追加の措置を選択させる、というものです。

しかし、104日というのは、祝日を除いて週休2日にすれば足ります。

それに労働時間上限設定、勤務間インターバル制度、2週間連続の休日取得、心身の状況をチェックする臨時の健康診断のいずれかを実施すればよいことになります。

週休2日で臨時の健康診断をすればよい、ということでは、過労死などを防ぐことは難しく、今の法案と実質的にそう変わらないのではと思います。

連合では、組織内の調整もしていず、傘下の労働組合から批判が噴出しています。13日のトップ会談の前には、全国コミュニティ・ユニオン連合会が、「過労やハラスメントが横行している実態と懸け離れている」「小さな穴を開けてはいけない」などの、異例の反対声明を出しています。

水面下で政府から働き方改革の残業時間規制と抱き合わせでの受け入れを迫られて方針転換をした、とも伝えられています。

国会で、反対を続けてきて2年間廃案に追い込んできた野党も反発しています。

労働法などの学者や研究者も疑問の声があげています。

これで「実がとれる」と連合の幹部が考えたのであれば、甘すぎると思います。

力関係が違う政府と修正協議をすれば、不利な条件で呑まざるを得ず、何とか「働かせ方」を改革したい政府に渡りに船と考えられたと思います。

都議選後、安倍一強の潮目が変わり始めている今、なぜ、わずかな修正で、労働組合のトップが、傘下の労働組合や共闘するはずの野党と協議もせず、独自に走ったのか、大きな疑問を感じます。

小さな穴でもあければ、例えば年収1075万以上で始まっても、すぐにもっと拡げられる等、拡大していくと、これまでにも指摘されています。

働き方ではなく、働かせ方を、経済界の意向によって変えることに手を貸すのでは、連合の存在意義が、ますます揺らぐと考えます。

すでに組織率は17%で、労働者を代表しているとはいえない状況ですが。


電通なる狂気の者に支配された極右ブラック労働を強いる巨大企業と同じく
極右国家社会ブラック労働党の社員(衆参議員ら)は、小選挙区制度に守られた首魁らには、自殺するまで(次回選挙で大敗し落選するまで)何も対抗する勇気も見識もないのではありませんか

■ 政治
それでも自民党内に「安倍やめろ」の声があがらない理由
田原総一朗

東京都議選は、自民党の大敗に終わった。東京都の選挙ではあるが、話は東京都だけに留まるものではない。これはやはり国民すべてが、安倍晋三首相に、愛想を尽かしたということだろう。
2013年の特定秘密保護法の成立、15年の安全保障関連法の成立でも内閣支持率は下がった。ただ、それは一時的なもので、支持率はすぐに回復している。
このときはまだ、多くの国民は安倍首相の思いを理解できていたからなのだろう。だが、「共謀罪」の強行採決、「森友学園」と「加計学園」の問題が続けて起きてしまった。これには、さすがに多くの人が安倍首相を理解できなくなった。
森友学園」問題は、それでも財務省がふんばったせいか、決定的なものは出てこないまま終わった。
そして、「共謀罪」法案については、安倍首相の意図が透けてみえた。高い内閣支持率に乗じて、「この際、やってしまおう」という意図だ。いわば「自信過剰」の結果だ。
さらに、「加計学園」問題だ。ここに至って、国民の大多数が、友だちへの「えこひいき」だと感じてしまった。さすがに安倍政権に「ノー」と思ってしまったのだろう。前川喜平事務次官による、「行政がねじ曲げられた」という証言が、それを裏付けたと言ってもいい。多くの国民がかなりの不信感を抱き、支持率の低下につながったのだ。
従来の自民党であれば、ここまで来たら「安倍やめろ」の声があがっただろう。かつて何人もの首相が、そうやって辞めていった。これまで自民党は、このようにして数々の危機をしのいできた。これを党内の「自浄作用」と言うらしい。
しかし、いまそんな声は一切あがらない。これからあがる気配もない。なぜか。僕は、自民党が硬直化しているからだと思っている。劣化していると言ってもいい。そのうえ安倍首相の周りは、イエスマンばかりになってしまっているようだ。
だが、もしこのまま支持率が低下し、30パーセントを切るようになったらどうなるか。自民党の議員たちは、「次の選挙で当選できないのではないか」と言う強い不安感を抱くだろう。そうなったとき、やうやく「安倍離れ」「安倍降ろし」の風潮が強まってきて、自民党は混乱に陥るだろう。

石波議員の今日の意見を見てみましょう。

■ 政治
最大の課題など
石破茂

 石破 茂 です。
 東京都議会議員選挙から2週間近くが経過しましたが、自民党では東京都連においても、党本部においても総括の会合が開かれないままの状態が続いており、党内で意見を述べる機会が全くありません。

 民主党政権が誕生し、我々が野に下って初めての自民党大会でゲストスピーカーの野村克也氏が「負けに不思議の負けなし」という松浦静山の言葉を引用して「試合で負けた時にきちんと総括・反省・改善をしなければ次の試合も必ず負ける。野球も選挙も同じである」と述べられたことが鮮烈に印象に残っているのですが、今回もそうあらねば次回総選挙がかなり厳しい結果となることを強く危惧しています。
 加計・森友問題は国政最大の問題ではありません。河合雅司氏が「未来の年表」の中で指摘しているように、我が国内政最大の課題は人類がいまだ経験したことのない急速な少子化高齢化社会への対応であり、その財源の確保です。地方創生はその一環なのであって、「成功する里山ビジネス ダウンシフトという選択」(神山典士著・角川新書)からはいくつかの貴重な示唆を受けました。
 
 外交・安全保障分野の最大の課題は激変する安全保障環境の変化に対応し得る法制と能力の整備であり、「武力なき正義は無力であり、正義なき武力は暴力である」(パスカル)という言葉を今一度よく噛みしめなくてはなりません。

 北朝鮮ICBM開発の進展が日本に突き付けているのは、米国の拡大抑止(核の傘)の信頼性に与える影響をどのように考えるかという点です。ICBMはSLBMと異なり、冷戦期の米ソでさえ一度も実験したことのない、考えてみればとても不思議な兵器なのですが、十数年前から既に北朝鮮は米軍基地が所在する岩国・佐世保・沖縄を含む西日本を射程に収めたスカッド・ノドンミサイルを相当数保有していたのであり、ICBMではなくても事態はその時から深刻であったはずです。

 その時と現在の相違は「いつ・どこから・どれだけの数を撃たれるかわからなくなった」という点にあり、飽和攻撃への対応も含め、今の機会に明確な解を出す必要があります。「差し掛けられた傘 米国の核抑止力と日本の安全保障」(佐藤行雄元国連大使著・時事通信社)は今までの経緯を詳細に記した好著です。
 最近必要に迫られて学生時代の法律学の教科書を読み返す機会があるのですが、40年以上を経て読み返してみると、新たな気付きがあったり、忘れていたことを思い出したりとなかなか有意義な時間です。


 憲法改正国民投票について清宮四郎教授は「(国政)選挙と同時の国民投票では、国民が選挙に気を奪われて、憲法改正の意味をよく意識しないで投票を行うおそれがあり、問題の重要性に照らし、憲法改正問題だけに国民の注意を集中させる『特別の国民投票』の方が望ましい」と述べておられますが(憲法?新版 法律学全集第3巻 有斐閣)、然りと思います。

 国民投票はあと1年半以内に迫った衆院選と絡めて報道されることも多いのですが、国政選挙と同時に行った場合、有効投票の過半数は得られたが、発議に賛成した勢力は3分の2を大きく割り込んだ、という一種矛盾した奇妙な事態が起こることも可能性としては十分予想されることであり、この点も併せてよく考えなくてはなりません。
 週末は、16日日曜日が「時事放談」出演(午前6時・TBS系列・収録)出演。
 17日海の日は、水産庁漁業取締船「東光丸」「白竜丸」乗船(午前8時半・晴海埠頭)、茨城県知事候補予定者「大井川かずひこ氏と語る会」にて講演(午後5時・高萩市文化会館茨城県高萩市高萩)、という日程です。
 都心はまるで梅雨が明けたかのような酷暑の日々が続いています。
 皆様ご健勝にてお過ごしくださいませ。

アッ・シンキード事件と進むか否か、国民は疑似北朝鮮首魁夫婦の行く末を見ています
【政治】
加計集中審議、再来週で調整 首相補佐官出席を政権検討
Tweet
2017年7月14日 21時26分
 自民党民進党は14日、学校法人「加計学園」の獣医学部新設計画を巡り、安倍晋三首相が出席する衆院予算委員会の集中審議を24日の週に開く方向で調整に入った。安倍政権は、新設手続きを促したとの指摘がある和泉洋人首相補佐官の出席も検討する。民進党は、東京都議選の応援演説で自衛隊の政治利用とも受け取れる発言をした稲田朋美防衛相にも照準を定め、首相の任命責任を追及する。 集中審議を巡っては、与野党の質問時間の配分で溝があり、18日に両党の国対委員長会談を開いて協議する。 和泉氏は、前川喜平前文部科学事務次官が加計問題の「キーパーソン」と指摘した人物。
(共同)