極右ブラック労働党の提出法案を否決しなければいけません

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極右国家社会ブラック労働党大日本帝国時代の準奴隷制社会を目指すのが、安部首魁ら指導部の肝いり政策だから、労働者の賃金は最低でよいとするのです

■ ライフ
国・経団連は労働者の給与を「絶対削る」
PRESIDENT Online

(ジャーナリスト 溝上 憲文)
長時間労働の上限規制」法案とともに今秋の臨時国会に提出される予定の労働基準法改正案。「高度プロフェッショナル制度」の導入などによって経団連は人件費コスト削減の仕組みをつくろうとしている。今、身を粉にして働くすべての日本人が、加計学園問題以上に注視すべき「給与・賃金問題のキモ」とは?
■「時間外、深夜・休日の残業代を支払わなくてもよい」
加計学園問題で大揺れの安倍政権。野党の追求が続くなか、長時間労働の上限規制と並んで秋の臨時国会に提出される労働基準法改正案の「高度プロフェッショナル制度」にひそかに注目が集まっている。
この制度を盛り込んだ法案はすでに閣議決定され、2015年に国会に提出されているが、野党から「残業代ゼロ法案」との批判を浴び、1回も審議されずに“塩漬け”されていた。
ところが、労働組合の中央組織の連合が政府・経団連と法案の修正協議を行っていたことが明るみに出て、再びサラリーマンの重要関心事となっている。
現状、連合内部の足並みが揃わず、安易な法案修正協議に走った執行部に批判が集中。「政労使合意」が頓挫している状態だ。そうなると国会での与野党の議論が焦点になる。
改正案の最大の柱は「高度プロフェッショナル制度」の導入と「企画業務型裁量労働制」の拡大だ。
▼経営者の悲願は「賃金コスト圧縮」の仕組み作り
この2つの実現は経済界の長年の悲願だった。賃金コスト圧縮など経営者には多大なメリットもたらすからだ。
逆に、一般のサラリーマンからすると不利益どころか、長時間労働による健康被害を引き起こしかねない極めて“有害”な仕組みといえる代物だ。
それはなぜか。
高度プロフェッショナル制度」は、管理職以外の一定のホワイトカラーのサラリーマンを労働時間規制の適用除外にするもので、アメリカのホワイトカラー・エグゼンプション(適用除外制度)の日本版だ。
これは平たく言えば、「時間外、深夜・休日の残業代を一切支払わなくてもよい」とする制度だ。
日本の労働時間規制は「1日8時間、週40時間」以上の労働を原則禁止している。それでも働かせたい場合は、時間外労働は25%以上の割増賃金(残業代)を支払うことを義務づけている。言うまでもなく、割増残業代という“ペナルティ”を使用者に課すことで、労働者の健康を守ろうとしているのだ。
■「労働者の10%を(残業代ゼロの)対象にしたい」
では、この制度の対象者になるのは誰なのか。
法案要綱によれば、「高度の専門的知識等を必要とし、職務の範囲が明確で一定の年収要件(少なくとも1000万円以上)を満たす労働者」となっている。
年収要件は「平均給与額の3倍を相当程度上回る」ことが法案に書き込まれ、具体的金額は法律より格下の省令で「1075万円以上」にする予定になっている

ただ、業務要件の「高度の専門的知識等を要する業務」が何を指すのかよくわからない。具体的な業務は省令で決めることになっている。
法案の根拠となる厚労省審議会の報告書では例示として、金融商品開発、ディーリング、アナリストの業務を挙げている。しかし金融に限らず、あらゆる業界・企業には専門的知識が必要な業務がたくさんある。おそらく特定の業務に絞り込むことは難しいだろう。仮に当初は限定したとしても、法改正することなく政府の意向で随時変更できる「省令」で追加していくことは間違いない。
そうなると歯止めになるのは年収要件だ。前述したように「年収1075万円」以上の人が対象になるのだが、こんなに収入をもらっている人は少数派であり、ほとんどの人は自分と無関係だと思うだろう。
▼労働者の10%=約500万人が対象になる可能性
だが、年収要件はいずれ下がる可能性は大だ。そう考える根拠には次のような背景がある。
●制度の導入を長年主張し続けてきた経団連は第一次安倍政権の検討時期には年収400万円の以上の社員を対象にすべきだと主張していた。
経団連榊原定征会長は法案検討の当時、「労働者の10%程度を対象にしてほしい」と記者会見で広言していた。もちろん、管理職は一応時間規制から外れているので、それ以外の労働者となると、その数は約500万人に当たる。
●法案を審議する厚労省の審議会でも中小企業の代表が「1000万円以上では中小企業では活用できない。もっと下げてほしい」と要望していた。
塩崎恭久厚生労働大臣は経済界向けのセミナーで「小さく産んで大きく育てる」(当初の年収要件は高いが、いずれ引き下げるという趣旨)と発言し、物議を醸したこともある。
官邸の政治家や経営者たちの「残業代を支払わない」「労働者の給与を絶対に削る」という意気込みは衰えるところを知らない。
年収要件を下げるには法改正の必要があるが、たとえば平均給与額の約「3倍」(厚労省の統計に基づく計算で936万円)を「2倍」(624万円)と数字を変えるだけだ。もし、本当にそうなると中所得層のサラリーマンのほとんどが対象になる事態になる。
■同時に「固定(定額)残業代制」の制度化も狙う
ここまで読んだ20、30代の読者はやはり「自分は当面関係ない」と思うかもしれない。
しかし、そうではない。

同時に提出される「企画業務型裁量労働制の拡大」では多くの若年世代が対象になる可能性もある。この企画業務型裁量労働制とは、会社が1日の労働時間を9時間と見なせば、法定労働時間の8時間を超える1時間分の割増手当は出るが、9時間を超えて働いても残業代が出ない仕組みだ(ただし、深夜・休日労働は割増賃金を支払う)。
わかりやすく言えば、ブラック企業で問題になっている基本給に残業代を組み込む「固定(定額)残業代制」を法律で制度化したものだ。現在の対象業務は「企画・立案・調査・分析」を行う人に限られている。
それを今回の改正では手続きを緩和し、さらに対象業務を増やした。
追加業務は以下の2つだ。
(1)課題解決型提案営業
(2)事業の運営に関する事項について企画、立案調査および分析を行い、その成果を活用して裁量的にPDCAを回す業務
課題解決型提案営業とは、いわゆる「ソリューション営業」のこと。お客のニーズを聞いてそれにふさわしい商品やサービスを販売する営業職だ。報告書では「店頭販売や飛び込み販売、ルートセールス」は入らないとしている。要するに、それ以外の法人営業をしている人のほとんどが対象になる。
(2)はわかりにくいが、営業以外の事務系の業務を指す。審議会の報告書では「個別の製造業務や備品等の物品購入業務、庶務経理業務」は入らないとしている。一般にいうブルーカラーや定型業務は入らないということだが、それ以外の業務はほとんど入る可能性もある。
▼入社2?3年目の営業職も対象になるかもしれない
「企画業務型裁量労働制」が先の「高度プロフェッショナル制度」と違うのは、年収要件がないことだ。
ということは入社2?3年目の営業職も入る可能性もあるということだ。ちなみに独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査(2014年6月)によると、現在、企画業務型裁量労働制の対象者には年収300万?500万円未満の人が13.3%も含まれている。300万円と言えば、20代前半の平均年収に近い。
■制度適用で、35歳の年間残業代170万円が消える?
制度が適用されると、この人たちの残業代が消えてなくなることになる。国の統計資料をもとに筆者が試算したところ、仮に50時間の残業をした場合の31歳の平均基本給から計算した月間残業代は、11万6900円。35歳は14万1100円。39歳は16万9350円になる。年収換算では、31歳で140万2800円、35歳で169万3200円になる。


これを見ても、いかにサラリーマンの生活が残業代に支えられているかがよくわかる。もし、これだけの収入が減れば、暮らしは当然苦しくなるだろう。今でも働き方改革で残業時間が削減され、収入が減っている社員が増えているが、制度の導入でほとんどの残業代がなくなる事態も起きかねないのである。
おそらく企業は制度導入を契機に「時間ではなく、成果重視」の旗印を掲げ、残業代見合いとして低額の保障はするが、成果を上げた人に高い報酬を付与する「成果主義の報酬制度」をより強化してくるだろう。
だが、成果を上げて高い報酬を得られるのはごく一部の社員にすぎない。大部分の社員は現在の給与を維持するのがせいいっぱいだろう。
そうなると、高報酬社員がいる一方、生活レベルを落とさざるをえない貧乏社員の二極化がますます加速するだろう。
アメリカでも最低賃金以下で働かされる例が増大
じつは同じような事態がアメリカで起きている。
高度プロフェッショナル制度」と「企画型裁量労働制」はアメリカの「ホワイトカラー・エグゼンプション」を日本流にアレンジしたものだ。
そのアメリカではオバマ前大統領が「何百万人もの残業代や最低賃金の権利が保護されていない」と指摘し、労働長官に見直しを指示したことがある。最低賃金とは、日本と同じようにそれ以下の賃金で働かせることを法律で禁じる最低額の時給のことだ。
つまり、企業が労働時間規制の適用外あるホワイトカラー・エグゼンプションの対象者を拡大した結果、長時間働いても残業代が支払われないために、最低賃金が保障する時給以下で働かされている人が増大し、社会問題化しているのだ。日本もいずれそうした事態にならないとは限らない。
政府は今、一方で長時間労働の是正を促す残業時間の罰則付き上限規制の法案を提出する。そして、それと正反対の結果になりかねない法案も同時に提出しようとしている。
秋以降の国会での法案審議の行方は、日本を支えるサラリーマンの給与や働き方を大きく揺るがす、加計学園問題以上に注目すべき内容なのだ。