トランプ大統領:少年たちに政治演説 80年の慣例破り
2017年07月30日


トランプ米大統領=西田進一郎撮影

ボーイスカウトの全米大会 親から怒りの声が渦巻く

 【ワシントン高本耕太】東部ウェストバージニア州で24日に開かれたボーイスカウトの全米大会でトランプ米大統領が行った演説に、参加者の親たちから批判が上がっている。政治色の強い話はしないとの過去80年の慣例を破り、大統領選の勝因分析や対立候補クリントン国務長官批判など、「トランプ節」全開の内容だったためだ。インターネット上には「息子を退会させる」といった怒りの声が渦巻いている。

 会場となったキャンプ場で、トランプ氏は12〜18歳の少年が大半の聴衆約4万人を前に35分にわたって演説。「私の対立候補は(中西部)ミシガン州で勝てると思って力を入れなかった」「オバマケア(医療保険制度改革)廃止法案が通らなかったら厚生長官はクビだ」などと語った。

 野外活動を通じた少年少女の健全育成を目的とするボーイスカウトの大会に出席したり、メッセージを寄せたりした歴代大統領は、政治・党派色の強い話題は避け、友情や社会奉仕の精神を説いてきた。だが、トランプ氏は普段の支持者向け集会と変わらぬ調子で、「ビジネスの成功に必要なのは勢いだ」と主張したりもした。

 米国ボーイスカウト連盟のフェイスブックページには「ボーイスカウトの精神と対極の内容」「子どもに聞かせたくなかった」といった親たちの書き込みが相次いだ。高まる批判に連盟の代表は27日、声明で「演説に気分を害された人に心から謝罪する。ボーイスカウトの活動の場に政治が持ち込まれたことを深く悔いている」と陳謝した。



■ 政治
民進党代表戦、新しい政界再編の動きを
小宮山洋子

民進党蓮舫代表が、27日の臨時役員会で、代表を辞任する意向を表明し、党運営に行き詰まって、辞任しました。この時期の民進党は、誰が率いても難しい党運営を迫られたと思いますが、都議選惨敗、国籍問題(戸籍情報開示は、前例になりかねず、すべきではなかったと思います)、野田幹事長辞任、後任の幹事長人事の行きづまりなどが原因と言われています。
辞任を受けて、新しい代表を選ぶ代表選に、枝野幸男官房長官(53)と前原誠司外務大臣(55)が、立候補する意向を固めました。代表選は、8月21日告示、9月1日投開票で、党員・サポーターも参加する形で考えられている、と報じられています。
安倍政権の支持率が、これだけ下がっても、民進党は、その受け皿になり得ず、無党派層だけが増えています。都議選でも、都民ファースト議席は集まり、惨敗でした。何とか、新しい受け皿を国政でも、と思っておいでの方が多いと思います。
民進党は、民主党時代から、バラバラでひとつの考え方にまとまりきらない、と言われてきました。今回の枝野氏、前原氏は、リベラルと保守の対決で、再編含みとも報じられています。私は、枝野さんも、前原さんも、一緒に政策を作ってきた仲間で、よく知っていますが、ともに論客で、これからの日本の政治を担っていく代表を選ぶ、本格的な代表選になると期待しています。
枝野さんは、リベラル派の議員グループを率いる赤松前衆院議長や菅直人元首相などに立候補の挨拶をし、前原さんは、野田幹事長や旧民社党系議員のグループを率いる高木元文科大臣などと会っている、と伝えられています。
私は、前原さんが、党内で調査会長としてまとめてきた社会保障より広い概念の、労働も含めた生活保障の考え方をもって、新しい動きの中核になってくれるよう応援しています。
蓮舫さんとの代表選でも、すべての人が可能な負担をすることですべての人の生活を保障する、All for Allという考えを打ち出していました。
正式名称「尊厳ある生活保障調査会」の中間報告では、次期衆院選公約の柱に据える経済・社会保障政策をまとめていて、秋の最終報告に向けて財源論なども含めた最終方向をまとめる方針でした。
それを先取りして、前原さんが考えている政策を骨太にぶつける代表選にすることで、安倍政権への対立軸がはっきりすると思います。

これは、新しい受け皿となる塊の中核を作るチャンスだと思います。その際には、党名は民進党にこだわることなく、新しいものであってよいと考えています。

共産:穀田氏祝賀会に「こんなことを…」小沢氏もびっくり
2017年07月30日


穀田恵二衆院議員(右)の共産党国対委員長就任20年を祝う会に集まった(左から)二階俊博自民党幹事長、河野洋平・元衆院議長ら=京都市中京区で2017年7月30日、三村政司撮影

国対委員長在任20周年記念、与野党の重鎮300人ズラリ

 共産党穀田恵二国対委員長は30日、委員長在任20周年を記念する祝賀会を京都市内のホテルで開いた。大島理森衆院議長や自民党二階俊博幹事長、民進党横路孝弘衆院議長をはじめ、与野党国対委員長経験者ら約300人が出席。共産党の集まりに与野党の重鎮が名を連ねるのは異例で、野党第1党の民進党が低迷する中、国政選挙や東京都議選で躍進が続く共産党の存在感が際立つ形となった。

 穀田氏はあいさつで「採決強行は議会制民主主義の土台を崩し、劣化を招く」と与党の国会運営に注文。大島氏は「公正中立に物事を判断する時、自民党寄りかなと思えば、穀田氏が何と言うかを考えて判断する」と持ち上げてみせた。

 衆院京都1区で穀田氏と議席を争う自民党伊吹文明衆院議長も登壇し「穀田氏は好敵手というより、戦友という感じが強い」と語ると、自由党小沢一郎共同代表は「顔ぶれといい、パーティー形式といい、共産党がこんなことをするとは思ってもいなかった」と共産党の変化に驚きを見せた。最後には出席者がそろって記念撮影し、政敵同士のつかの間の休戦となった。

 穀田氏は1993年に衆院旧京都1区で初当選し、現在8期目。97年から共産党国対委員長を務めている。【真野敏幸】