メキシコを笑うトランプは必ず沈む

【国際】
交通違反でも不法移民送還 米政権、軽犯罪に取り締まり拡大
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2017年2月22日 夕刊
 【ワシントン=後藤孝好】トランプ米政権は二十一日、中南米からの不法移民の取り締まり強化と国境管理の厳格化に関する新たな指針を発表した。国外退去の対象を交通違反など軽犯罪にも拡大して強制送還を徹底。メキシコ国境への壁建設は南部テキサス州など三カ所で近く開始する。
 トランプ米大統領の一月二十五日の大統領令を受け、国境管理や移民政策を担う国土安全保障省が指針を作成した。約千百万人とされる不法移民対策では従来、重罪の不法移民を中心に強制送還していたが、対象拡大により送還される不法移民が増えそうだ。子どものころに親に連れられて不法入国し、そのまま不法滞在となった人たちはオバマ前政権と同様、強制送還の対象外とする。
 壁建設に着手するのはテキサス州エルパソと、西部アリゾナ州トゥーソン、西部カリフォルニア州エルセントロの三カ所。いずれもメキシコ国境沿いにフェンスが設置されているが、老朽化で壊れるなどして中南米からの不法移民流入が絶えない。
 入国管理当局職員を一万人、国境警備当局職員五千人の計一万五千人を増員して体制を強化。既存フェンスがない国境地帯で、不法移民流入が多い地域など優先的に壁を整備するべき場所の調査を進める。
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森友学園:国が減額算定、前例なし 国有地取得で理財局長
2017年02月24日


森友学園に売却された豊中の国有地(白線内)=大阪府豊中市で、本社ヘリから貝塚太一撮影

◇「国有地貸し付け+売却」の事例、過去に2件

 大阪市の学校法人「森友学園」が小学校用地として国有地を格安で取得した問題で、財務省の佐川宣寿理財局長は23日の衆院予算委員会で、ごみ撤去費用を約8億円と見込んだ作業を国の機関が直接行ったことについて「今のところ(同様の)事例は確認できなかった」と述べ、前例のない手続きだったと明らかにした。

 日本維新の会足立康史氏への答弁。足立氏は、土地の鑑定額9億5600万円から差し引かれた額が巨額だと指摘。佐川局長は「地下埋設物がある国有地売却の場合、撤去費用を専門業者が見積もり、それを踏まえて売却価格を算定する方法が一般的だ」とも説明した。他の議員への答弁では「何が出てくるか分からない状況で、『国がさらなる責任を負わない』という特約を前提に積算した」と語った。国土交通省によると、撤去費用は近畿財務局の依頼で大阪航空局が見積もった。足立氏は「普通は不動産鑑定士や専門業者ら第三者に頼む。こんなことをやったのは前にも後にもこれだけだ」と指摘した。

 また、佐川局長は、民間に国有地を貸し付けた上で売却した事例が過去に2件だったと明らかにした。佐川氏は「(今回のも含め)学校法人で2件、社会福祉法人で1件」と説明。財務省の事務処理要領の「国有財産の買い付けが確実と見込まれ、それまで賃貸借をすることがやむを得ないと財務局長らが認める場合」に当てはまるとした。足立氏は「政治条項だ。政治が動いた時の『隠し玉』としか思えない」と批判した。【光田宗義】