教育勅語を有り難がる間違い

昨日のつづき

つい2017年3月10日には、検察側が2年を求刑したというニュースが流れたばかりである(判決5月22日)。

こちらは歴とした刑事事件の被告人として「悪」が裁かれることに相成ったわけだが、これも、教育勅語が謳う「尊法精神」から著しく逸脱してはいまいか

教育勅語の道徳観を礼賛することは自由だ。

そこに書かれていることは、大変に常識的なことばかりであると私も思う。

しかし教育勅語の存在した時代を一方的に「道徳的に高い時代」と位置付けたり、或いはそこから援用して現代を「道徳的に退廃している」と糾弾し、教育勅語の時代を「取り戻すこと」に躍起な人々の中の少なくない部分には、田母神のように片方で道徳を唱え、片方で平然と不道徳(とみなされるような民事裁判や刑事犯罪)を冒す二枚舌の人物が存在することを忘れるべきではないのではないか。

むろん、戦後の日本とて、すでに前述した『戦前の少年犯罪』の例のように、青少年による猟奇事件・性愛事案は数多く存在する。

ということは、

戦前も戦後も等しく道徳は廃れていたのであり

「戦前が善で戦後が悪」という一方的な時代の「色分け」は不適用である、ということも存分にできよう。

土台、

時代に「善悪」の塗り分けなど無意味であり、教育勅語が存在した時代も現在と同じように人々は不道徳で、悪徳が栄えていたのである。

そんな当たり前のことを教育勅語の存在を盾に認めないのはアンフェアだ。

実は、例示こそしないものの、過去の時代(戦前日本)を過度に礼賛し、教育勅語に代表される教育の理想をとうとうと説く保守派・右派とされる人々の中には、この手の人物が少なくない。

道徳を声高に叫ぶ一方実は隠し子が居たり、妻や夫がありながら「保守界隈」の中で出会った相手と平然と不倫をくりかえし、表向きは「凛とした日本男子・大和撫子」などと厚顔無恥に喧伝する人々を

私は何十人と知っている。


私は彼ら彼女らの不道徳を糾弾しているのではない。

誰しも不道徳を楽しんでいる側面はある。

繰り返すように、それは戦前・戦後の別なくである。

であるならば、他者に道徳を強制するべきではない、ということだ。

少なくとも、自分が不道徳な人間なのに、他人に対してだけ道徳を強制するのは筋違いだ。

己の不道徳を自覚するなら、他者の不道徳にも寛容でなければならない。

教育勅語が発布されて120年以上が経つが、いまだ教育勅語の理想というのは、良い意味でも悪い意味でもこの国の中で実現していない。

しかしそれは、おそらく古今を問わず人間の自然な姿なのだろう。
※Yahooニュースより転載

次は

船田元自民党議員 (栃木県)の意見

船田元議員のblog全文です

森友学園の異常さ

 大阪府豊中市で塚本幼稚園を経営する森友学園の話題が、連日のように報道され、国会でも議論が続いている。

新しい小学校を作るための国有地の払い下げ金額が、評価額に比して異様に安すぎることで、政治家の関与がなかったかどうか。

また塚本幼稚園の教育内容が余りにも異常ではないか。

この2点にポイントが絞られている。

 安倍総理大臣や昭恵夫人との関連は、自ら明らかにされることだから多くは語らないが、他の多くの真面目な私立学校が、森友学園と同類項と受け止められることは堪らず、「異常な事案」として、徹底的に事実関係を明らかにしなければならない。

 私は国会議員であると同時に、作新学院という私立学校を、132年間代々稼業として経営してきた。

30年ほど前に4年制大学を新設するため、約5000平米の国有地を払い下げてもらった。

金額は忘れたが、関東財務局から提示された価格をそのまま受け入れた。

価格面での交渉は全く行わなかった。

 加えて大学設置認可(文部省:当時)と農地転用(関東農政局)そして国有地払い下げ(関東財務局)の決定のどれが優先されるかで、各役所間の調整が難航し、予定よりも2年遅れでようやく開校にこぎ着けたことを思い出す。

多忙とストレスで担当職員1名が体調を崩してしまったこともあった。

 議員の立場を利用してはいけないと、極力関連当局には顔を出さなかったが、立場上どうしても赴かなくてはいけない時は、議員バッジを付けず、議員名刺も持たずに行ったと記憶している。

だから今回の国有地払い下げにおいて、財務局の提示価格の10数%だったことや、非常に短い時間で払い下げが決まったことを聞くと、どうしても特別の力学が働いたと思わざるを得ないのである。

 さらに報道によると塚本幼稚園の教育は、教育勅語や、中国や韓国を敵視するスローガンを暗記させるという偏向した内容であり、幼稚園教育要領を明らかに逸脱している。

国論を二分した平和安全法通過に言及させる教育を、政治的素養や能力の整っていない幼児に施すことは、極めて異常である。

 私の経営する作新学院幼稚園では、決してこのような偏向した教育は行なっていない。

幼稚園教育要領に則り、特に自然や人間社会との関わりを重視し、自ら考え自ら行動できる子どもたちの育成に務めている。

特定の価値観を、しかも暗記という方法で教え込むことは、我々の教育とは真反対にある。

 過去の歴史が指し示す通り、国家の崩壊は、まず教育の崩壊から始まる。

私たちは決して過去の轍を踏んではならない。

[ 2017.03.06 ]
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次はネット記事より
2017-03-10

森友学園問題、自民党から火のでる怪

額賀派 麻生派 朝日新聞 週刊新潮
 昨日発売の週刊新潮に、森友学園の問題が大きく炎上したきっかけとなった共産党の質問は鴻池祥肇参議院議員(4期・衆2回・兵庫県選挙区、麻生派)サイドから共産党に進んで情報提供があった、その理由は鴻池議員が側近として使える麻生太郎財務大臣(12期・福岡8区)にまだ総理への色気があり、この政局で倒閣すれば、麻生氏に目があるからだという記事があった。

 読んだ時はそこまではちょっとなぁとおもったが、今朝の朝日新聞に船田元衆議院議員(11期・栃木県1区、額賀派)が森友学園についての政府の対応を批判的に語っている記事が出ており、おやと思った。

 船田氏いわく、森友学園の国有地取得のスムーズさを見る限り「特別な力」が加わった可能性が極めて高い、とかなり踏み込んだ発言をし、学園の籠池理事長の参考人招致も選択肢の一つ、と党の方針とは異なった考え方を披露している。

自民党は内部での議論はトコトンするが、こうしてメディアをはじめ外に向けての異論の発信は嫌うので、船田氏の発言は異例だといえる。

船田氏は作新学園の経営者なので、もしかすると同業者としての義憤なのかもしれないが、一方で政治家特有のポジショントークの可能性もある*1。

いずれにせよ、与党のベテラン議員(鴻池・船田)がこの問題を燃え広がる方向へプッシュしている感があり、今後あらたに与党内から動きがあるかもしれない。

(参考) 自民・船田氏「特別な力学働いたと…」 森友問題に言及:朝日新聞デジタル 森友学園の異常さ | 船田 元 公式WEBSITE週刊新潮』2017年3月16日号
 「謀略!? 共産党と組んだ「コンニャク会見」は「安倍潰し」」

 「籠池理事長」が籠絡したい本命は「麻生財務相」だった」