安部、国有財産を私物化する

■ 政治
朝日新聞がネットに追いついた
志村建世

 きょうの「朝日新聞」朝刊で、森友学園の問題が記事になっていた。ネットでおなじみになった文書の写真も、合成して載せている。ただし内容をよく読むと、国会の質疑で追及を受けたという報告になっている。これなら国会担当の記者が安心して書けるわけだ。

 朝日新聞には2000人の新聞記者がいるそうだ。ハイレベルの入社試験に合格した優秀な人が多いだろうが、ふだんはどんな仕事をしているのだろう。いろいろな情報源に目配りして、今はネット上の話題にも気をつけているに違いない。森友学園の問題についても、関心を持つ記者はいたことだろう。独自に取材を進めてもいただろうが、この学園と安倍晋三・昭恵夫妻との関係が出てきたことを、どう受け止めていたのか。特ダネだと思いながらも、相手が相手だけに、うかつには書けないと慎重になっていたのではないか。

 報道機関にいて特ダネをつかんだら、昔ならその記者の手柄になって表彰されたりもした。しかし今では、ほとんどの問題が、まずネットの世界から流れ始める。無数の個人が自由に発信するのだから、どんな敏腕記者でもかなうわけがない。そこで、素人の発信者がまず情報を出して、それを記者が追いかけるという逆転現象が起きることになる。だからネット情報を知っていた者には、「新聞がネットに追いついた」印象になるのだろう。

 しかし新聞に記事が出るというのは、やは大事なことなのだ。それは「うわさ話」が社会的な「ニュース」になったことを意味する。ネット上の情報は、大多数の人間にとっては、その場かぎりの「うわさ話」として通り過ぎて行くものだ。しかし新聞の記事になっていれば、その日付で記録され、半永久的に検索が可能になる。ネットにも情報集積の機能はあるが、紙に印刷されたものの信頼性には、長い伝統と独特の重みがある。

 新聞に望みたいことは、やはり批判精神の堅持である。政府が発表する公式記録の伝達だけなら役所に任せればよい。ネットに流れる情報の中から、庶民の「うわさ話」として出て来る疑問や怒り、悲しみなどを、親身になって拾い出してほしい。昔は一軒ずつ訪ね歩かないと聞けなかったような打ち明け話が、今はネットで見られる便利な時代になったと考えたらどうだろう。ネット情報を信頼性が低いと見下してはいけない。尊敬と信頼に値する発信者が多くなっていることを、私は日々に実感している。


森友学園:昭恵首相夫人のあいさつ削除 HPから
2017年02月23日


安倍昭恵さん(安倍晋三首相夫人)=首相公邸で2016年3月22日、竹内紀臣撮影

 森友学園大阪府豊中市の国有地に開校予定の小学校「瑞穂の国記念小学院」のホームページ(HP)から、名誉校長として紹介されていた安倍晋三首相の妻昭恵さんのあいさつが削除されたことが23日、分かった。

 削除前のHPは昭恵さんを顔写真付きで「名誉校長 安倍昭恵先生 安倍晋三内閣総理大臣夫人」と紹介。「優れた道徳教育を基として、日本人としての誇りを持つ、芯の通った子どもを育てます」などという内容のあいさつ文を掲載していた。

 昭恵さんがHPにあいさつを寄せていることには、23日の衆院予算委でも民進議員から疑問視する声が出ていた。【津久井達】


【政治】
大阪の「森友学園」国有地問題 民進議員団が聴き取り
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2017年2月22日 朝刊
学校法人「森友学園」が取得した土地(左上)の視察に訪れた、民進党の国会議員ら=21日、大阪府豊中市
 大阪府豊中市の国有地が、小学校開設を計画する学校法人「森友(もりとも)学園」(大阪市淀川区)に評価額の14%の値段で売却された問題で、民進党の国会議員による「追及チーム」が二十一日、現地を視察し、売却に関わった近畿財務局と大阪航空局の担当者から大阪市内で聴き取りをした。記者会見した民進党玉木雄一郎幹事長代理は「基本的な質問にも十分な答えがなかった」と批判した。
 聴き取りでは、評価額九億五千六百万円から差し引かれた、生活ごみや廃材などの撤去費用八億円余りの積算根拠について、議員から質問が集中。担当者から、ごみを確認した際の現場写真が新たに提出されたが、法人側の申告通りに深い地点からごみが出たことを裏付ける説明はなかった。議員からは「どんなごみがどこから出たものかも分からない。積算の根拠は極めて乏しい」など批判の声が上がった。
 午前の視察では、玉木氏や辻元清美氏ら五人が約一時間、現地を調査。福島伸享氏は「八億円分の作業はダンプカー四千台が行き交うような状況だ。地元の方にも聞き、それに相当する工事はやっていないと感じた」と話した。

■ 政治
文部科学省の違法天下り
小宮山洋子

文部科学省天下りあっせん問題について、松野文部科学大臣は、昨日21日、全容解明調査の中間報告を公表しました。
新たに違法な天下りあっせん関連事案17件を確認し、早稲田大学への元局長の再就職などと合わせて、違法事案は27件となります。
松野大臣は、関与した人事課職員など16人の追加処分を検討する、ということです。
あっせんの調整役だった、人事課OBの島貫氏は、このうち23件と、ほとんどに関与していたと認定しました。
中間報告では、新たに関係先として、上智大、青森大、筑波大、新潟科学技術学園、岐阜大などが明らかになっています。
そして、文部科学省の組織的天下りあっせんで、仲介役の人事課OBが、学長に就任予定だった大学の設置申請が行われた際、OBの学長就任が不適切だとする同省審議会の内部情報を担当幹部が人事課職員に伝えていたこともわかった、ということです。
次善の策として、副学長などへの就任を模索し、天下りの中心だったOBを何とか処遇しようとする組織ぐるみの構図が鮮明になった、と報じられています。
また、文部科学省人事課が、昨年、男性外交官(当時)の東京外国語大学特任教授への再就職のあっせんに関わっていた可能性がることもわかり、他の省庁への広がりもみられています。
組織ぐるみの根深い、許されない問題ですが、メールなどの物証と証言がそろわないと、違法の認定ができないという高いハードルがあり、霞が関全体の調査は難航することが予想されています。
民間企業では、一所懸命働いていても再就職先もないのに、文部科学省天下りが、このように多数、組織ぐるみで行われていたことに憤りを覚えます。
徹底的に解明し、こうしたことが再び起こらないようにしてほしいと思います。

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■ メディア
右派系「ブライトバート」編集者が辞任 小児性愛容認発言
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)

 米保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のIT(情報技術)担当編集者ミロ・イアノポウロス氏は21日、同日付で辞任した。未成年の少年に対する成人男性の性的行為を容認するような発言をした映像が先週末に流出したことが原因。

 「同僚たちの取材の重要性を損なうような、粗末な言葉の選択を自身に許したのは過ちだ。今日限りでブライトバートを辞める」。イアノポウロス氏は発表文の中でこう述べた。

 先週末、「性的に成熟」している13歳の少年に大人が性的魅力を感じたとしても小児性愛とは思わないとイアノポウロス氏が発言している映像がインターネット上に流出した。

 同氏はIT担当編集者だったが、ポリティカル・コレクトネス(社会的・政治的に公正な表現)に反発するような発言で物議を醸すことが多かった。

 ブライトバートは非主流のメディアだったが、ドナルド・トランプ氏の大統領選出に伴い注目度が上昇。現在はワシントンの主要メディアの一角を占めるに至っている。ブライトバートは選挙期間中にトランプ氏を強く支持し、前会長のスティーブ・バノン氏は今や大統領首席戦略官に就任している。

 ブライトバートのアレックス・マーロウ編集長は21日、自社のラジオ放送を通じてイアノポウロス氏の発言は「弁解の余地がない」うえ「問題だ」と発言した。
By LUKAS I. ALPERT

■ 政治
トランプの保護主義は本物だ - 岡崎研究所
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 1月24日付の英フィナンシャル・タイムズ紙の社説は、トランプ大統領保護主義は本物であると警告しています。その要旨は次の通りです。
 ほとんどの政治家は「保護主義」を侮辱と捉えているが、トランプ大統領は違う。「保護は大きな繁栄と力に通じる」と就任演説で述べた。NAFTAを交渉し直し、TPPから離脱する。トランプは貿易政策の最も劇的な変更を提案している。
 NAFTAを交渉し直すことで、その全体を崩壊させることなく実質的な変更を図ることは可能であろう。原産地規則を変更し、カナダとメキシコが第三国、特に中国製の部品を米国向け輸出製品に組み込むことをより難しくすることは可能であろう。しかし、メキシコ製品に35%の関税を課すといった過激な行動は困難であろう。仮にNAFTAを無視して、WTOの下での「最恵国待遇」に立ち戻るとしても、関税は35%よりも遥かに低い。そうなると、トランプに残される選択肢は緊急関税の付加だが、それが違法だとWTOからの脱退もあり得る。かくして世界の貿易政策の構造は崩壊する。
 このような行動は米国を含め如何なる国の利益にもならない。サプライ・チェーンは寸断される。コストの上昇と革新の停滞を招く。米国の消費者にとって商品価格が上昇する。農業からサービスまで、米国の輸出は害される。
 トランプは製造業における雇用の減退の原因は貿易にあるとしているが、この現象は恒常的な貿易黒字国を含め広く国際的に見られることである。その主たる要因は技術革新にある。米国に生産拠点を無理やり押し戻すことは米国の労働者ではなくロボットの職を創出することとなろう。
 トランプの貿易政策の輪郭は未だ完全には明らかでない。例えば、トランプは全ての自由貿易協定に反対なのか、多国間の協定にのみ反対なのか、あるいは低賃金国との協定に反対なのか、不明瞭である。しかし、トランプは単に見せ掛けの行動をしているのではない。彼は保護主義が米国をより豊かにすると信じている。問題は、間違いに気付く前にどこまで行くのかにある。
出 典:Financial Times‘Take the US president’s protectionism seriously’(January 24, 2017)
https://www.ft.com/content/442eec40-e227-11e6-9645-c9357a75844a 米国は勝手にやります、悪しからず
 1月20日に挙行されました米国大統領就任式でのトランプ大統領の演説は、「米国は勝手にやります、悪しからず」というものでした。トランプ政権の貿易政策も同様です。「我々の製品を作り、我々の会社を盗み、我々の雇用を奪う他国の猛威から、我々の国境を守らなければならない。保護は大きな繁栄と力に通じる」、「我々はバイ・アメリカン(米国製品を買うこと)とハイヤーアメリカン(米国人を雇うこと)という単純なルールに従う」と述べました。「バイ・アメリカン」という何十年もの間忘れられていた1960年代の言葉を聞きました。
 政権入りするピーター・ナヴァロとウィルバー・ロスが昨年9月に書いたトランプの経済計画がありますが、「如何なる貿易の取引も、GDPの成長率を高め、貿易赤字を縮減し、米国の製造業のベースを強化するものでなければならない」という「トランプ貿易ドクトリンの原則」を述べています。これまた一昔前の管理貿易の主張の匂いがします。
 諸外国首脳のなかでは、安倍総理トランプ大統領に意見をいい得る立場にあると思いますが、出過ぎて怒らせる貧乏くじを引くことはありません。周辺に働き掛けるのが常套手段でしょう。