ホワイトハウス レポートとトランプ就任祝賀拒否歌手ら

【国際】

「シカゴ市警は差別が常態化」

 米司法省が黒人射殺で報告書

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2017年1月14日 夕刊

13日、米中西部シカゴで記者会見するリンチ司法長官=AP・共同
 【ニューヨーク=北島忠輔】米司法省は十三日、人種差別的な取り締まりが問題となっているシカゴ市警について、「公民権侵害にあたる差別的な手法や行き過ぎが常態化していた」とする報告書を発表した。「違法で不適切な人種差別的な手法が、住民との信頼関係を損ねている」として改善を求めた。
 シカゴでは二〇一四年、ナイフを持って歩いていた黒人青年=当時(17)=が白人警官に十六発撃たれて死亡する事件が発生。昨年七月にも、盗難車から逃げ出した丸腰の黒人青年=当時(18)=が十発以上撃たれて死亡しており、市警に対する批判が高まる中、司法省が調査を進めていた。
 報告書は、警官による人種差別の例を指摘。逮捕されて理由を尋ねた黒人男性に対し、警察官が差別用語を使って「おまえのような反抗的な黒人を捕まえるのが警察だ」と言い、殴り倒したケースなどが記されている。
 逃げる容疑者への発砲や子供へスタンガンの使用など、不適切な対応も指摘。リンチ司法長官は記者会見で「シカゴ市警が抱える問題の多くは、警察官の訓練不足が原因だ」と述べ、人種に対する偏見の改善と抑制的な権限行使を求めた。


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AI社会到来で300万人が失業 米ホワイトハウスがリポート

フォーブス ジャパン

人工知能(AI)の普及は新たな産業の勃興を促そうとしている。しかし、それと同時に膨大な数にのぼる雇用がテクノロジーによって脅かされる。12月20日、米ホワイトハウスはAIの普及が経済に与えるインパクトを考察したリポートを発表した。

それによるとAIの台頭により産業革命以来の変化が訪れ、人々は自動化により仕事を失う。新たな仕事に就くために別のスキルを学ぶ必要に迫られる。リポートは脅威にさらされる職種は全体の9%から47%としており、AIは単一のテクノロジーというより、テクノロジーの集合体であるため、様々な分野にまだらに浸透していくと述べている。

最初にインパクトを受けるのは自動化が容易な分野で、学歴が低い人々ほど影響を強く受けるという。リポートは特に自動運転に関して詳しくリポートしており、米国の220万人から310万人の雇用に影響するという。ただし、この数値には今後新たに創出される雇用は含まれていない。

では、AIにより創出される仕事とはどんなものなのか? 「未来の仕事」を予測することは極めて難しいが、いくつかの大まかな予測は立てている。その一つはAIの普及により、顧客とのエンゲージメントが増加し、そこに人間の手が必要になる場面が増えるケース。もう一つは、AIが業務を効率化し、より高い生産性をもたらずケースだ。

例えば、遠隔地の顧客の事務所までクルマを運転するセールスマンの場合、自動運転の登場により、運転に注意を払う必要が無くなり、その時間を販売の準備や分析に充てられるようになる。

また、AI技術の浸透により、AIの開発を行なうプログラマーの雇用は増大する。さらにAIの運用がプログラム通りに行なわれているかを監視するチームも必要になるだろう。

リポートはAIの普及により、雇用のパラダイムシフトが起こると結論づけている。自動運転が完全に普及したならば、それにふさわしい都市計画の遂行が必要になるだろう。

AI社会に対応した労働人口の育成が必要

しかし、特筆すべきはAIが生むほとんどの仕事で、教育レベルやスキルの高さが求められることだ。AIの台頭に備え、現状よりも多様性に富んだ労働力の拡大が必要であるとリポートは述べている。

「調査結果から、同質集団よりも多様性を持つグループのほうが、課題解決を効率的にこなせる」とリポートは指摘する。「そのためには科学テクノロジー分野で多様な人材を育成し、AI領域に多様な労働者を送り込むことが必要になる」としている。
未来の仕事に米国人が適応するためには、教育制度や就業訓練の改善も必要になる。全ての人々がコンピュータやデジタル機器へのアクセスを持つことも重要だ。また、大学等に限らず職場でのトレーニングの重要性も指摘されている。

最終章でリポートは、AIの普及で膨大な数の人々が失った場合、どう対処すべきかにふれている。AIによる自動化による最もネガティブなインパクトは、失業だ。これに対処するため、失業給付などの社会的セーフティーネットの増強が求められる。

各州は失業給付期間の延長や、職業訓練プログラムの導入を検討すべきだ。全体的には、今回のリポートはAIの台頭が経済的メリットをもたらすとしているが、行政側が対応を怠れば、そのメリットは全国民には行き渡らない。「自動化の恩恵を最大化するためには、行政側の多大な働きかけが必要だ」とリポートは結論づけている。

米大統領就任式:有名歌手、出演拒否相次ぐ デモ申請多数
2017年01月06日

 【ロサンゼルス長野宏美】有名歌手らの出演で華やかに挙行される米大統領就任式に異変が起きそうだ。米メディアによると、20日にワシントンで行われるトランプ次期米大統領の就任式への出演依頼を断る有名歌手が続出している。

 出演拒否が伝えられたのは英歌手のエルトン・ジョンさんや映画「タイタニック」の主題歌で知られるセリーヌ・ディオンさんら。就任式の前後には大規模な抗議デモも計画されており、祝賀ムードよりも分断が浮き彫りになっている。

 前回2013年のオバマ大統領の時はビヨンセさんが国歌を歌い、花を添えた。トランプ氏の就任式への出演拒否続出は、女性蔑視発言や差別的な言動が影響したとみられる。

 国歌を歌うのは人気オーディション番組出身の女性歌手、ジャッキー・エバンコさん(16)。ラインダンスが有名な伝統ある劇団「ラジオ・シティー・ロケッツ」も出演するが、ダンサーの一人がソーシャルメディア上で「(出演は)ぞっとする」などと不満をもらすなど不協和音が出ている。

 また、20団体以上が就任に抗議するデモを申請しており、21日にデモが許可された女性団体のデモ行進だけでも20万人が参加する見通しだ。トランプ支持者との衝突やテロも懸念され、警備が強化されている。

 トランプ氏は出演拒否や抗議デモが話題になっている就任式について、昨年12月22日にツイッターで「私が(出席を)望むのは一般の人々だ!」と不満をぶつけている。