(森友学園問題) 私立「瑞穂の国記念」小学校偏向教育問題

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ル・モンドの記事から(森友学園問題)
内田樹

2月27日のLe Monde が森友学園安倍総理の関係について報じた。
どのような形容詞が用いられているか、注意して読んで欲しい。
ナショナリスト的逸脱(d?rive nationaliste)と不都合な便宜供与がいりまじった一つの事件が日本の総理大臣安倍晋三の足元を脅かしている。話題になっているのは4月1日開校予定の大阪の私立「瑞穂の国記念」小学校である。

2月27日、当局はこの施設の建設工事についての調査を行った。この施設は学校法人森友学園が開学する「日本で最初で唯一の神道小学校」である。神道は日本起源の宗教である。

森友学園は2016年6月に国土省から一区画の土地を1億3400万円で購入したが、これは現地の地価の七分の1である。国土相はこの土地が9億5600万円と価格査定されていたことを認めている。この値引きが行われたのは、廃棄物の除去と、微量のヒ素や鉛を含む土壌の除染が必要だったからである。しかし、野党によると、取り出されたのは廃棄物のごく一部であった。残りは現場に埋め戻され、森友学園は除去工事のために1億円しか支出していない可能性がある。当局はこの交渉についての記録は保存されていないと述べている。

総理大臣とその妻昭恵はこのプロジェクトに深いかかわりを有している。安倍夫人はこの小学校の名誉校長であるが、彼女の名前と写真は学校のインターネットサイトからはすでに削除されている。また彼女が生徒たちに向けて書いたメッセージ、彼らが「明日の日本の指導者になる」という文言も削除された。学園は「安倍晋三」の名を学校につけることを求めていたが、本人の依頼によって断念したとされている。

「もし、私の妻や私がこの取引に関与していたことが明らかにされたら、私は総理大臣も国会議員も辞職する」と安倍晋三は2月18日に言明した。だが、それでも事態は沈静しなかった。

2015年9月4日、安倍夫人は同じ学校法人が経営する大阪の幼稚園を訪れている。子供たちが毎朝日本を称える歌を歌い、教育勅語(1890年に制定され、1945年まですべての学校で毎年何度も朗読されたテクスト)を朗読することを彼女は大いに喜んだ。この勅語は「帝国の偉大さ」を称え、「必要なときには国家のために身命を捧げること」を命じたものである。

森友学園のプロジェクトは防衛相稲田朋美日本会議からの支援を得ている。

日本会議は影響力を持つ超国家主義的(ultranationaliste)復古主義的(traditionaliste)な組織で、その会員には総理大臣も森友学園の理事長籠池靖憲も含まれている。

この近接性は極端なナショナリスト出自(issu de la frange nationaliste)の安倍氏が現在の学校教育が過剰にリベラルであり、歴史問題について「自虐的」であることをつねにはげしく批判していることと符合する。彼は第二次世界大戦中の日本の権力濫用についての記述を歴史教科書から減らすように主張し続けてきた。

森友学園のねらいは「世界一純粋な国」日本の子どもたちの「愛国心と誇りを涵養する」ことにあり、そこには排外主義(x?nophobie)的傾向が濃厚である。テレビは運動会の開会式での幼稚園児たちの宣誓の場面を収録したビデオ映像を放送したが、その宣誓の言葉には、「日本を迫害する」中国と韓国に対する言及があった。子どもたちはまた総理大臣と彼の安全保障政策に対しても「安倍総理、がんばれ」との声援を送っていた。

■ 政治
森友学園 安倍事務所出入りの男性が“口利き”を実名告白 - 「週刊文春」編集部
文春オンライン

学校の認可や払い下げへの関与を否定 ・共同通信社
 大阪市の学校法人「森友学園」の小学校設立を巡る問題で、安倍晋三事務所に出入りしていた男性(41)が、本件で近畿財務局の担当者と面会していたと「週刊文春」に証言した。
 この男性は、大阪で経営コンサルタント業を営んでおり、2012年頃から安倍事務所に顔を出すようになった。安倍氏のホームページの動画「覚悟の瞬間(とき)」の撮影を手伝ったり、故・三宅久之氏らによる安倍応援団の記者会見のセッティングを手伝ったりしていたという。六本木のしゃぶしゃぶ店の個室で安倍氏らと会食したこともあり、同年6月に男性が結婚した際には、祝電が寄せられたという。
 この男性は、2013年10月には、鳩山邦夫総務相の了解を得て、「鳩山邦夫事務所参与」の名刺を持ち歩くようになった。
名誉校長を辞任した昭恵夫人 ・文藝春秋
 森友学園籠池泰典理事長(64)から、小学校の建設用地取得を巡って依頼を受けた男性は、2014年夏、所管の近畿財務局にアポイントを入れて訪問。対応した管財部統括国有財産管理官ら2名に対して、「鳩山邦夫事務所参与」を名乗って、1時間にわたり面談したという。
 その後、小学校は定期借地契約という異例の形で設立へ向けて大きく動き出すことになった。
 ただ、男性は面談の際、安倍夫妻についての名前は出さなかったという。安倍事務所は、「週刊文春校了後に、「(男性は事務所でボランティアスタッフとして)活動していません。(会食については)多数の中のひとりとして当該人物がいたと記憶しています」と回答。近畿財務局は、締切までに回答はなかった。
 また、鳩山邦夫氏の当時の公設秘書は「確かにウチの名刺を持っていました。在籍ではなく、給料を払っていません。私には全く報告がありませんでした」と回答した。
4月に開校予定 ・文藝春秋
 週刊文春3月2日発売号では、男性が実名で一連の経緯を5ページにわたって告白している。

■ 政治
安倍昭恵夫人が「名誉校長」になった背景 ?なぜ夫人は森友学園の教育に感銘を受けたのか? - 「文藝春秋」編集部
文春オンライン

 目下、安倍首相夫人の昭恵氏(54)が国会審議で話題となっている。
 今年4月、大阪市淀川区にある塚本幼稚園を母体として、日本初の神道系小学校「瑞穂の國記念小學校」(学校法人森友学園)が開校される。同幼稚園では、教育勅語の朗唱、自衛隊関連行事への参加、伊勢神宮参拝といった、戦前回帰の教育が行われている。昭恵氏はそうした教育方針に感銘を受けたと語っており、名誉校長に就任していた。だが、不透明な国有地の払い下げ問題が国会で追及されたことで、名誉校長を辞任した。
文藝春秋の単独取材に応じた安倍昭恵夫人 ・文藝春秋
 昭恵夫人はこれまで「反原発」「反防潮堤」「反TPP」といった安倍政権とは真逆の意見を述べることも多く、自らを「家庭内野党」と名乗ったこともある。昨夏にはオスプレイ用ヘリパッドの建設で激しい抗議活動が続く、沖縄県・東村の高江に平和活動家と出かけて物議を醸してもいる。
 一見リベラル色の強い昭恵氏が、なぜ戦前回帰の教育に感銘を受けたのか。
 その背景を読み解く鍵は、昭恵氏が傾倒しているスピリチュアリズムにある。スピリチュアルカウンセラー神道関係者との交流を深め、各地の神社を巡り、「主人が総理になったのは天命」「縁は神がもたらすもの」「大麻は日本古来の神道の必需品」と語る。「反原発」から「教育勅語」まで、一見バラバラに見える昭恵氏の活動や関心事は、実は本人の中ではすべてつながっているのだ。
 『文藝春秋』3月号では、そうした昭恵氏の思想の源流について、ノンフィクション作家・石井妙子氏が多くの関係者への取材をもとに16ページにわたって詳細にレポートしている。石井氏は昭恵氏本人にもインタビューを行い、その中で昭恵氏は「主人と意見が違うように見えても、目指すところは一緒で、日本を取り戻したいんです」と語っている。
 石井氏のレポート「安倍昭恵『家庭内野党』の真実」は、森友学園問題の背景を知る上で必読だ。

以下は、産経新聞より

 麻生太郎財務相は3日の閣議後会見で、学校法人「森友学園」(大阪市)による国有地払い下げ問題で、学園側から政治家への働きかけが表面化したことについて、「(学園の陳情を受け政治家が)近畿財務局か大阪航空局かにつないでやるのは普通のことで、それをするのが(政治家の)仕事だと思う」と、正当性を主張した。

 麻生氏は「代議士には地域の色々な陳情が来る。それを聞かないと代議士は何のためにいるのか」と指摘。

自民党鴻池祥肇参院議員が、学園理事長から用地取得をめぐる陳情を受けていたことについても問題ないとの見方を示した。

 ただ、麻生氏はこれまでの国会答弁や会見で、同問題における政治的な働きかけの有無については「ない」と明言してきており、回答が一転した形だ。

また、国有地の学園への払い下げ手続きについては、「瑕疵(かし)はなかった」とし、適切に実施されたことを改めて強調した。