亡国の暴走族トランプ
米国:大統領就任式
「過去最大」
「事実」か「うそ」か
2017年01月25日
今月20日のトランプ米大統領の就任式の参加人数を巡り、「過去最大の聴衆だった」としたスパイサー大統領報道官の発言を、コンウェー大統領顧問が22日のNBCテレビ番組で「もう一つの事実だ」と説明し、擁護したことが波紋を呼んでいる。
政権に批判的な米メディアは「『もう一つの事実』は事実でなく、うそだ」と激しく反発している。
今回の就任式参加者について米メディアは直後から、過去最多の180万人だった2009年のオバマ前大統領就任時に比べて少なかったと報道した。
これを受けスパイサー氏は21日、ホワイトハウスで記者団に対し「メディアは不誠実」と敵意をあらわにし、史上最大説を強調した。
22日のNBCのインタビューで「大統領はなぜ報道官にうそをつかせるのか」と問われたコンウェー氏は「代替」や「もう一つの」を意味する「オルタナティブ」という言葉を使い、「スパイサー氏は(メディアの報道に対して)もう一つの事実を示していただけ」と反論した。
スパイサー氏は23日の記者会見で、「史上最大の聴衆」はインターネット中継などを見た人を含めたものだと主張を「修正」。
だが、コンウェー氏の「もう一つの事実」発言は、米メディア以外も巻き込んで、インターネット上で話題になり続けている。
米国の辞書出版社、メリアム・ウェブスターはツイッターで
「事実とは、客観的な現実として提示される情報のこと」とコメント。
英BBCテレビ(電子版)は
「事実認識の共有なしに、民主主義は機能しない。米メディアは試練に直面している」と伝えた。【高本耕太】
米新政権:
環境保護局の情報発信制限
…補助金も凍結
2017年01月25日
トランプ政権が、米環境保護局の職員が講演や記者発表、ソーシャルメディアなどで情報発信することを当面禁じる通達を出したことが24日、分かった。
同局の予算で実施している気候変動研究や大気・水質浄化事業への補助金を当面凍結する方針も決めた。
米メディアが伝えた。
新政権はオバマ前政権の地球温暖化対策に批判的で、発足前から温暖化問題を担当する同局職員に、活動を抑制するための圧力を加えるような動きを見せていた。
また「環境保護のための行き過ぎた規制が経済活動を停滞させている」と主張しており、同局の活動を縮小させる狙いがあるとみられる。
米メディアによると、この方針は、新大統領が就任した20日、同局職員に電子メールで通達された。
情報発信の禁止と補助金の凍結は直ちに実行し、追って指示があるまで継続するという。
情報発信に関しては解禁されても、厳しい検閲を受ける可能性がある。
米エネルギー省では政権移行の直前、こうした事態が起こることを懸念した前政権のモニズ長官が「職員が科学的根拠に基づいて発言する自由を保障する」との新指針を定めた。
だが新政権はこれも撤回させる可能性がある。(共同)
トランプ氏:
メキシコ国境壁建設指示
大統領令署名へ
2017年01月25日
【ワシントン西田進一郎】米メディアによると、トランプ大統領は25日を皮切りに、不法移民対策に関する大統領令に順次、署名する。
メキシコとの国境沿いに壁を建設するよう指示する大統領令などが含まれる見通し。
選挙戦の看板政策に着手し、支持層に強くアピールする狙いがある。
トランプ氏は24日、自身のツイッターに「明日は国家安全保障において重要な日になる。
他にも多数あるが、我々は壁を造る!」と投稿した。
25日にはテロ対策や国境警備、不法移民対策などを行う国土安全保障省を訪問する予定だ。
国境の壁建設以外には、内戦が続くなど政情が不安定なシリアやイラク、イランなど中東・アフリカの国々からの移民や入国を一時的に制限したり、厳しい入国審査制度が導入されるまで難民受け入れを数カ月停止したりすることが含まれるという。
また、不法移民にも公共サービスを提供し、「不法移民のシェルター」との指摘もあるシカゴやニューヨークなどの「サンクチュアリシティー(聖域都市)」に対し、連邦政府が締め付けを強める大統領令も検討されている。
補助金や融資を止めるなどの措置が考えられるという。
トランプ氏は選挙戦で、メキシコとの国境沿いに巨大な壁を築くと公約し、テロ対策として「イスラム教徒の一時入国禁止」を提案。
難民に紛れてテロリストが入国するのを防ぐため、厳しい入国審査を導入することなど「強硬姿勢」を打ち出し、テロや不法移民の流入に恐怖感や不満を感じる支持層を引きつけた。
メキシコ:
強気の構え
「尊厳」掲げ米トランプ政権に対抗
2017年01月25日
トランプ米新政権の外交や通商政策に対し、隣国メキシコが強気の姿勢を鮮明にしている。
31日にはワシントンで米メキシコ首脳会談が行われ、トランプ氏の看板公約だった国境の壁建設が議題に挙がる見通し。
メキシコは人道上の観点から反対するだけでなく、トランプ氏が要求する費用負担にも一切応じない構えだ。
拳を振り上げたままの両首脳がどこに着地点を見いだすのか、先行きは不透明だ。
トランプ氏が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)から離脱する大統領令に署名した23日、TPP参加国の一つだったメキシコのペニャニエト大統領は大統領府で演説。
関係悪化が危ぶまれる米新政権とは「衝突でも服従でもなく、対話と交渉によって解決策を導き出す」との方針を示した。
一貫して反対してきた国境の壁についても「(国境とは)両国民をつなぐもので、分断するものではない」と強調した。
首脳会談を前に、メキシコ側は25日からビデガライ外相とグアハルド経済相をワシントンに派遣し、米新政権の高官との間で首脳会談に向けた論点整理を行う。だが、外交や通商政策を担う両大臣も国境の壁には強い嫌悪感を表している。
ビデガライ外相は10日放送された民放テレビのインタビューで、壁を米国が建設した後で、メキシコに費用を払わせるとのトランプ氏の主張を「断じてありえない。
国家の尊厳と主権に関わる」と真っ向から否定した。
グアハルド経済相も24日、現地メディアの取材に、国境は通商の交流点であるべきで、先端技術をもって人の出入りを監視するのが適当だとの考えを示した。
メキシコ政府はトランプ大統領の就任に先立つ14日、対米外交政策の指針と位置づける
「米国との交渉における5原則」を発表。
(1)国際的権利
(2)尊厳
(3)対話姿勢
(4)網羅的な討論
(5)経営の自由−−
からなり、互いに主権や国益の侵害を認めないことや、企業の自由な意思による投資活動を妨げないことをうたう。
メキシコは輸出の8割が米国向けで、米経済への依存度が高いだけに、トランプ政権の出方次第で国内の雇用情勢や国民生活は一変しかねない。
ただでさえ、メキシコ国内では今年に入り、政府によるガソリン価格の2割引き上げに反発するデモや暴動が相次いでいる。
支持率が20%台に落ち込むペニャニエト大統領は国民の不満を抑えるためにも、トランプ氏に弱腰姿勢を見せられない事情がある。
NAFTA:
メキシコ離脱視野
カナダは米と2国間協定も
2017年01月25日
トランプ米大統領が唱える北米3カ国の北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉をめぐり、各国の緊張感が高まっている。
メキシコのグアハルド経済相は24日、不利な内容に変更された場合、協定離脱も辞さない意向を表明。
巻き添えを恐れるカナダは米国との2カ国間協定を目指すとの見方もあり、トランプ氏の出方次第では、NAFTAの空中分解も否定できない情勢だ。
「現状より悪い条件をのんでまで(協定を)維持するなど、ばかげている」。
離脱の可能性を問われたグアハルド氏は現地メディアに語った。
「全ての国が勝者にならなくてはならない」とも述べ、自国の利益が保障されなければ協定の見直しには応じない姿勢を強調。
31日の米メキシコ首脳会談に備え、ビデガライ外相とともに25日からワシントンを訪問し、トランプ政権の高官と会談する。
トランプ氏は大統領選中から、メキシコや中国からの輸入増加が米製造業衰退の原因とみなし、NAFTAを「最悪の貿易協定」と目の敵にしてきた。
貿易赤字削減を目指すトランプ政権も交渉が不調ならNAFTAから離脱する構えで、両国が「離脱カード」をちらつかせて交渉に臨むことになる。
一方、カナダにはNAFTA維持に向けメキシコと連携する選択肢もあるが、現地の報道によると、政府関係者は「メキシコとは立場が全く違う」とし、交渉が混乱するようなら米国との2カ国間協定を目指す可能性を示唆しているという。
メキシコと異なり、対米貿易赤字(サービス貿易を含む)で、トランプ氏の標的になっていない事情もある。
ただ、肝心の交渉分野についてトランプ政権は具体的に言及しておらず、疑心暗鬼だけが募っている状態だ。
「経済統合が進み、産業ごと、企業ごとに利害が交錯する中、トランプ政権もどこに手をつけるべきか判断できていないのでは」(通商関係者)との指摘もある。
◇キーワード「NAFTA」
米国、カナダ、メキシコの3カ国が相互に市場を開放し合う北米自由貿易協定のこと。1994年1月に発効し、2008年に関税が撤廃された。域内人口は約4億8000万人。域内総生産(GDP)は約20兆ドル(15年、国際通貨基金調べ)と、欧州連合(EU)を上回る巨大な経済圏を構築している。メリットを生かそうと、北米市場向けの生産拠点をコストがより低いメキシコやカナダに置く企業が多い。特にメキシコから米国への自動車関連輸出が増加。米国の対メキシコ貿易収支は15年に中国、ドイツ、日本に次いで4番目に多い606億ドルの赤字だった。日本の自動車メーカーもメキシコ進出を進めており、トランプ米大統領からやり玉にあげられている。
Protesters Vow to Fight Trump's 'Bad Move' to Revive Controversial Pipelines
Protesters have rallied for months against plans to route the Dakota Access pipeline under a lake near the Standing Rock Sioux reservation, saying it threatened water resources and sacred Native American sites.
[President Trump signed documents clearing the way to government approval of the Keystone XL and Dakota Access pipelines in the Oval Office on Tuesday.]
Trump Revives Keystone Pipeline Rejected by Obama
By PETER BAKER and CORAL DAVENPORT
The new president continued dismantling his predecessor’s policies by clearing the way for a project at the heart of the battle over climate change.