絶対悪を相対悪にすり替えるトランプの歴史知識皆無さ

トランプ氏:何が問題? 「絶対悪」の差別思想を相対視
2017年08月21日

 【ワシントン高本耕太】

バージニア州で発生した白人至上主義者らと反対派との衝突に関し「双方に非がある」と指摘したトランプ大統領が猛烈な批判を浴びているのは、

ナチズムなど戦後の欧米社会で「絶対悪」とされている差別思想を、

相対的に論じようとしたためだ。

 12日の衝突では、白人至上主義者らが武装し抗議活動をした一方で、「カウンター・プロテスター」と呼ばれる反対派の一部にも、武器を持ったり、暴力的にデモ活動を阻止しようとしたりした勢力がいたことが、映像や証言で確認されている。

「一方に悪い人間がいたが、もう片方には非常に暴力的な集団もいた」といったトランプ氏の発言は、こうした事実認識に基づいたもので「主要メディアが真実を伝えていない」との不信感も言動の背景にあるとみられる。

 しかし、白人至上主義者やクー・クラックス・クラン(KKK)と、それに反対する勢力とを同列に論じたことで、トランプ氏は人種差別者を擁護しているとの印象を増幅させた。CBSテレビは「政治的に致命的な行為」と指摘している。

 英国のメイ首相は16日、記者団に「ファシズムの提唱者と、それに反対する者を私が同列に論じることはない」と述べた。

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極右国家社会ブラック労働党政権の末期

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■ 政治
読売1面〈首相「3選望まず」6割今の総裁任期まで〉の衝撃
NEWSポストセブン

親安倍メディアの論調が急激に変化】
 2018年9月の自民党総裁選で3選を果たし、2020年に自らの政権下で新憲法施行を果たすことは、安倍晋三首相の宿願だった。少し前まで、親・安倍派といわれてきた読売・産経といったメディアも、“ポスト安倍が見当たらない”と、そのシナリオに沿うような報道を続けていた。
 それがここにきて、「安倍3選」や「歴代最長」にいよいよ現実味がなくなってきたことは、紙面を見ているとよくわかる。読売新聞の8月11日付朝刊の1面には、〈首相「3選望まず」6割今の総裁任期まで〉という見出しが躍った。
 同紙と早稲田大学現代政治研究所の共同世論調査(郵送方式、有効回答数1963)の結果をレポートしたものだ。
 安倍首相にいつまで総理大臣を続けてほしいかという質問に対し、〈すぐに退陣してほしい〉〈自民党総裁任期が切れる2018年9月まで〉とする回答が64%を占めたというのである。
 もちろん、同様の数字は他のメディアでも報じられている。例えば毎日新聞による7月下旬の世論調査では、2018年9月の総裁2期目終了時で安倍首相が「代わった方がよい」とする回答が62%。時事通信が8月3?6日に実施した世論調査でも、3選の是非については反対が51.8%だった。
 ただ、安倍政権に批判的な姿勢を貫いてきた朝日や毎日ではなく、これまで安倍政権の動きをことごとく予見・的中させてきた読売が報じた衝撃は大きい。
「読売と早大の調査は自民党東京都議選に惨敗した直後の7月3日から内閣改造後の8月7日までが調査期間だった。安倍政権がどんどん求心力を失っていくタイミングで調査が実施され、結果が1面を飾ったことで、“安倍政権は本当に長続きしそうにない”との印象はいよいよ強くなった」(大手紙社会部記者)
 第2次政権発足以降、安倍首相は世論調査結果をむしろ“武器”にしてきた。今年4月に森友学園問題を巡って国会が紛糾した際にも、野党議員がNHK世論調査結果を引きながら、「42%の国民が昭恵夫人ら関係者の証人喚問を求めている」と追及したのに対し、安倍首相は「その調査で内閣支持率は53%ある」と応じて、“国民は自分を支持している”とばかりにまともな答弁を拒否した。
 さらにいえば、読売や産経の世論調査には安倍政権を支持する傾向が出ていたという経緯もある。

「今年5月に安倍首相が20年までの新憲法施行を目指すと表明した際、各紙が世論調査で賛否を問いました。政権に批判的な朝日新聞の調査では改憲提案を『評価する』としたのは35%にとどまった一方、産経の調査では『評価する』が46.9%、読売では安倍首相の改憲方針に『賛成』が47%という結果が出た。
 そうした経緯を踏まえれば、“6割が3選を望まない”という結果が読売に載ったインパクトはやはり大きい」(自民党中堅議員)
 親安倍といわれてきたメディアの論調は急激に変わってきている。
週刊ポスト2017年9月1日号