米国:白人警官を殺人罪で起訴…黒人少年に16回発砲 2015年11月

米国:白人警官を殺人罪で起訴…黒人少年に16回発砲
2015年11月25日

 【ニューヨーク草野和彦】米中西部イリノイ州シカゴで2014年10月、黒人の少年(当時17歳)が白人警官に射殺される事件があり、州検察は24日、この警官を殺人では最も量刑が重い第1級殺人罪で起訴した。少年から攻撃を受ける危険性がなかったにもかかわらず、警官は計16回も発砲。検察は「警官の行為は正当化されない」と強調した。米メディアが一斉に報じた。

 起訴された警官は、ジェイソン・バンダイク被告(37)。昨年10月20日夜、駐車場でトラックからラジオを盗もうとしている少年がいるとの連絡を受け、複数のパトカーが現場に到着。パトカーに搭載されたビデオカメラで撮影され、24日に公開されたビデオ映像によると、右手にナイフを持ち、道路を歩いていた黒人少年のラクアン・マクドナルドさんに対し、パトカーから降りたバンダイク被告が発砲した。

 検察によると、被告はマクドナルドさんが倒れた後も発砲を継続したという。裁判所が先週、ビデオ公開を決定。24日に記者会見したエマニュエル市長は「ビデオを見れば、市民が怒り、抗議したくなるのは理解できる」と述べる一方、平和的なデモを呼びかけた。