5173…先の大戦は侵略…
2015/03/14 12:23
中日新聞記事より

?@ 70年談話有識者

北岡氏が強調

安倍晋三首相が夏に発表する戦後70年談話に向けて設置した私的諮問機関「21世紀構想懇談会」(座長・西室泰三日本郵政社長)は13日夕、2回目の会合を官邸で開いた。

20世紀の国際情勢や先の大戦に至る経緯からくみとる教訓について意見交換した。

座長代理を務める北岡伸一国際大学長は、先の大戦を「侵略戦争」 と位置付ける持論を説明した。

西室氏らによると、この日の会合では世界と日本の歴史を俯瞰し、2つの世界大戦を含めた「歴史の光と影」 を議論する必要性を確認。

北岡氏は「先の大戦歴史学的に侵略戦争だ」との考えを示し、他のメンバーから侵略の定義についてさまざまな意見が出た。

西室氏は、記者団に具体的な内容は紹介しなかった。

70年談話では、先の大戦について、「植民地支配と侵略」と明記した戦後50年の村山富市首相談話をどこまで引き継ぐかが注目されている。

ただ、西室氏は記者団に「首相の談話そのものをつくる会合でないと確認した」 と強調。

同時に「具体的な文言をどうするかという議論より、日本が21世紀に向けて何ができるかを中心に話したい」 と述べた。

首相は2月25日の懇談会の初会合で、20世紀の世界と日本の歩みをどう考えるかなどの論点を提示。

懇談会はこの論点に沿って月1、2回のペースで開かれ、7月までに報告をまとめる予定だ。

?A 過ちごまかすな







70年談話・村山元首相に聞く

― 村山談話が果たした役割は何か。

「歴代内閣として初めて過去の過ちを率直に認め、謝罪を表明したことだ。その後の内閣がこれを継承し、世界が納得したんです。中国や韓国の人が、これからはお互い信頼しあって、いい環境をつくろうといってくれた」

― その後、歴史問題が再燃している。

小泉純一郎首相の靖国神社参拝、教科書問題などがあったからで残念でならない。そのうえ、安倍首相が村山談話の見直しをするというので、何を考えているのか、と世界が疑念の目で見ている」

― 安倍首相は「村山談話を全体として引き継ぐ」と述べ、談話作成にあたって、有識者の意見を聞いている。

有識者の意見を聞くのもいいが、国会での答弁を聞いていると、安倍首相は村山談話に書かれている植民地支配や謝罪については触れたくない、薄めたいという気持ちがあるのではないか。歴史的事実や過ちについてごまかしてはいけない。そんなことをすれば、日韓、日中関係は、ますますこじれる。」

村山談話の踏襲は、謝罪を繰り返すことになるという意見もある。

「そういう声をよく耳にするが、何回も謝罪するというのが村山談話の内容ではない。過去の事実を認め、繰り返さないという平和への決意を表明するものだ。」

― 来日したドイツのメルケル首相は「過去の総括は和解の前提」 と語った。

「ドイツのワイゼッカー元大統領は『過去に目を閉ざす者は現在に対しても盲目となる』と言った。同じ意味だ。ドイツと日本が戦後歩んできた道はかなりちがうが、ドイツは『過去に向き合う』という言葉をかみしめ、実践してきた。だから欧州の中で信頼されている。メルケル氏は『日本がアジアの中心であり、韓国や中国とうまくやってほしい』という期待から、ああ言ったのだろう。日本はアジアで孤立してはいけない」