稲田朋美「政治資金パーティー」発起人は“死者”だった

■ 政治
稲田朋美政治資金パーティー」発起人は“死者”だった
NEWSポストセブン


稲田氏が政治資金パーティーでも失態か
 内閣改造で「去りゆく大臣」がこれほど注目されたことはなかったのではないか。相次ぐ失言に加え、新たにPKO日報の隠蔽疑惑まで噴き出している稲田朋美・防衛相だ。
「極めて有力な首相候補だ」
 安倍首相がほんの1年半前にそう“絶賛”した稲田防衛相が、内閣改造の直前になっても失態をさらし続けている。
 東京都議選での公職選挙法違反発言に続き、九州北部豪雨で大きな被害が発生した7月6日には防衛省を1時間以上抜け出して私的な勉強会に出席していたことが発覚。
 相次ぐ不祥事で翌7日に予定していた政治資金パーティー稲田朋美さんと道義大国を目指す会」を中止する事態に追い込まれた。「パーティー中止の連絡が来たのは当日午後で、会費は返金するという説明でした」(後援者)という。
 このパーティーこそ、稲田氏の政治家としての資質が問われるいわくつきのものだった。その案内状には、こんな挨拶文が添えられていた。
〈今、日本を取り巻く安全保障環境が厳しい状況の中で、防衛大臣の職責はますます重くなっています。いまやまさに日本を代表する政治家の一人として多くの国民にその手腕が発揮されることと、八面六臂の活躍が期待されています。
 この度、稲田さんと同じ思いを持つ皆様と「衆議院議員稲田朋美さんと道義大国を目指す会」を開催することに致しました〉
 会場はホテル・ニューオータニ(東京)の大宴会場「鳳凰の間」で、「会費」は2万円。問い合わせ先は衆院議員会館の稲田氏の事務所になっていた。
 一見、普通の文面に見えるが、受け取った後援者たちを驚かせたのは、これが“故人からの案内状”だったからだ。挨拶文の署名には、〈稲田朋美全国後援会「ともみ組」会長〉として渡部昇一上智大学名誉教授の名前があった。稲田氏の後援者の1人が眉をひそめて語った。
「案内状が郵送されてきたのは5月中旬でした。渡部先生は稲田さんを熱心に応援されていましたが、1か月前に亡くなっていた。その渡部先生が呼び掛け人のままになっているのを見てギョッとしましたね」
 保守派の論客として知られた渡部氏は今年4月17日、心不全で亡くなっている。挨拶文の日付は「平成二十九年四月吉日」となっており、渡部氏が生前に記したと思われるが、故人の名前で〈皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます〉と資金集めパーティーの案内状を出すのは相手先にも、なにより渡部氏に対しても礼を失している。「常識があればせめて挨拶文に『渡部先生のご遺志を継いで』といった稲田さんのひとことを添えて案内状を刷り直すのが当然でしょう。印刷費をケチったとは考えたくないが、政治家云々の前に社会人としていかがなものか」(同前)
週刊ポスト2017年8月4日号





【政治】
稲田防衛相、組織的隠蔽を容認 陸自にPKO日報、国会で虚偽答弁
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【政治】
稲田防衛相、組織的隠蔽を容認 陸自にPKO日報、国会で虚偽答弁
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2017年7月19日 07時03分
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が二月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたことが分かった。複数の政府関係者が十八日、明らかにした。防衛省自衛隊の組織的隠蔽(いんぺい)を容認した形になる。 稲田氏はその後の国会で、一連の経緯の報告を受けていないとし「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と答弁。国会でも虚偽の説明をしたことになり、防衛相辞任を求める声が強まり、安倍晋三首相も任命責任を問われるのは確実だ。 稲田氏は十八日、当該の会議で非公表の方針を了承したかどうかの事実関係について、共同通信の取材に「ご指摘のような事実はありません」と書面で回答した。 複数の関係者によると、緊急会議は二月十五日、防衛省で開かれた。稲田氏や事務方トップの黒江哲郎事務次官、豊田硬(かたし)官房長、岡部俊哉陸上幕僚長、湯浅悟郎陸幕副長らが出席。情報公開請求に「廃棄済み」とした日報が陸自に電子データで残されていたことについて、事実関係を公表するか対応を協議した。 陸自は一月十七日、岡部幕僚長に保管されていたことを報告し公表の準備を始めたが、会議では、陸自のデータは隊員個人が収集したもので公文書に当たらないなどとした上で、「事実を公表する必要はない」との方針を決定。稲田氏は異議を唱えず、了承したという。 三月に入り、報道によって陸自に日報が保管されていた事実が明るみに出た。稲田氏は同月十六日の衆院安全保障委員会で、民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ「報告はされなかったということだ」と否定した。 日報を巡っては、情報公開請求を不開示とした後、昨年十二月に統合幕僚監部で発見。その後、陸自でも見つかったが、一月二十七日に統幕の背広組の防衛官僚が、報告に来た陸上幕僚監部(陸幕)の担当者に「今更陸自にあったとは言えない」と伝達。二月にデータは消去された。 防衛省は二月六日、統幕で見つかった事実を公表し翌七日、一部を黒塗りで公開。陸自での保管の経緯は防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察を実施中で、近く結果を公表する見通しだ。◆「戦闘」表現巡り議論<PKO日報問題> 南スーダンPKOに、政府は2012年1月〜17年5月、陸上自衛隊の部隊を派遣。首都ジュバで大規模戦闘が起きた昨年7月に現地部隊が作成した日報の情報公開請求を、防衛省は昨年10月に受理。同12月2日に「陸自は廃棄済み」として不開示決定したが、12月26日に同省統合幕僚監部に電子データで保管されていたことが判明、今年2月に公開した。3月には陸自内部にも残っていたことが発覚し、防衛監察本部が特別防衛監察を実施している。日報の「戦闘」との表現を巡って「武力衝突」としてきた政府見解との落差が国会で議論になった。(東京新聞
3月16日、衆院安保委で答弁する稲田防衛相。民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ否定した



2017年7月19日 07時03分
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報を廃棄したとしながら陸上自衛隊が保管していた問題で、稲田朋美防衛相が二月に行われた防衛省最高幹部による緊急会議で、保管の事実を非公表とするとの方針を幹部から伝えられ、了承していたことが分かった。複数の政府関係者が十八日、明らかにした。防衛省自衛隊の組織的隠蔽(いんぺい)を容認した形になる。 稲田氏はその後の国会で、一連の経緯の報告を受けていないとし「改めるべき隠蔽体質があれば私の責任で改善していきたい」と答弁。国会でも虚偽の説明をしたことになり、防衛相辞任を求める声が強まり、安倍晋三首相も任命責任を問われるのは確実だ。 稲田氏は十八日、当該の会議で非公表の方針を了承したかどうかの事実関係について、共同通信の取材に「ご指摘のような事実はありません」と書面で回答した。 複数の関係者によると、緊急会議は二月十五日、防衛省で開かれた。稲田氏や事務方トップの黒江哲郎事務次官、豊田硬(かたし)官房長、岡部俊哉陸上幕僚長、湯浅悟郎陸幕副長らが出席。情報公開請求に「廃棄済み」とした日報が陸自に電子データで残されていたことについて、事実関係を公表するか対応を協議した。 陸自は一月十七日、岡部幕僚長に保管されていたことを報告し公表の準備を始めたが、会議では、陸自のデータは隊員個人が収集したもので公文書に当たらないなどとした上で、「事実を公表する必要はない」との方針を決定。稲田氏は異議を唱えず、了承したという。 三月に入り、報道によって陸自に日報が保管されていた事実が明るみに出た。稲田氏は同月十六日の衆院安全保障委員会で、民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ「報告はされなかったということだ」と否定した。 日報を巡っては、情報公開請求を不開示とした後、昨年十二月に統合幕僚監部で発見。その後、陸自でも見つかったが、一月二十七日に統幕の背広組の防衛官僚が、報告に来た陸上幕僚監部(陸幕)の担当者に「今更陸自にあったとは言えない」と伝達。二月にデータは消去された。 防衛省は二月六日、統幕で見つかった事実を公表し翌七日、一部を黒塗りで公開。陸自での保管の経緯は防衛相直轄の防衛監察本部が特別防衛監察を実施中で、近く結果を公表する見通しだ。◆「戦闘」表現巡り議論<PKO日報問題> 南スーダンPKOに、政府は2012年1月〜17年5月、陸上自衛隊の部隊を派遣。首都ジュバで大規模戦闘が起きた昨年7月に現地部隊が作成した日報の情報公開請求を、防衛省は昨年10月に受理。同12月2日に「陸自は廃棄済み」として不開示決定したが、12月26日に同省統合幕僚監部に電子データで保管されていたことが判明、今年2月に公開した。3月には陸自内部にも残っていたことが発覚し、防衛監察本部が特別防衛監察を実施している。日報の「戦闘」との表現を巡って「武力衝突」としてきた政府見解との落差が国会で議論になった。(東京新聞
3月16日、衆院安保委で答弁する稲田防衛相。民進党議員から一連の隠蔽行為の報告を受けていないのか問われ否定した
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【政治】
稲田氏報告、緊急会議2日前にも 陸自説明、PKO日報隠蔽問題
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2017年7月19日 09時00分
 南スーダン国連平和維持活動(PKO)部隊の日報の隠蔽問題で、稲田朋美防衛相が、非公表方針が決まった2月15日の緊急会議の2日前にも、陸上自衛隊側から、電子データが保管されていた事実などについて報告を受けていたことが19日、複数の政府関係者への取材で分かった。 2回にわたり報告を受けていたことが判明したことで、説明責任を果たすよう求める声が一層強まりそうだ。稲田氏は15日の会議の内容については共同通信に対し「ご指摘のような事実はありません」と否定している。 複数の関係者によると、2月13日の報告は15日の会議の「事前説明」という位置付けで行われた。
(共同)

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