極右国家社会ブラック労働党首魁の後釜は

■ 政治
野党4党一致で総理入り予算委や前川・前次官、安倍総理夫人らの証人喚問開催を要求
民進党

 民進、共産、自由、社民の野党4党の国会対策委員長は20日、国会内で会談し、会談終了後にぶら下がり記者会見に応じた。
 山井和則国会対策委員長は、(1)早急に総理入りの予算委員会集中審議と文部科学委員会を開くこと(2)前川・前文部科学事務次官安倍昭恵総理大臣夫人の証人喚問を行うこと――の2点を野党4党で合意し、自民党の竹下国対委員長に申し入れることを明らかにしたうえで、
「昨日の総理記者会見で『国民に丁寧に説明したい』と言ったのは非常に重い。丁寧に説明したいと言った以上、万が一安倍総理自民党が閉会中の審査を拒否することがあれば、安倍総理が昨日の記者会見でうそをついたということになる」などと要請の理由を語った。
 また、加計学園の問題について、「昨夜のクローズアップ現代という番組でも新たに10月21日に萩生田官房副長官文科省の担当局長と会って、加計学園についての口利きをしたとされる資料が明らかになった」とテレビ番組で新たな資料が出てきたことに言及し、「萩生田官房副長官がそういう動きをされたということは、内閣府というよりは官邸主導。安倍総理の一番の側近が萩生田官房副長官であるから、安倍総理の関与の疑いが濃厚になったのでは」と指摘した。
民進党広報局

■ 政治
谷垣禎一氏の政界復帰、安倍官邸にとっては両刃の剣に
NEWSポストセブン

 自民党谷垣禎一・前幹事長がサイクリング中の転倒事故で入院してはや1年近く。本誌・週刊ポストはそのリハビリの様子をキャッチした。東京都内のリハビリ専門病院で食事をする姿を捉えた。食事の介助はなく、30分ほどかけて食事を終えた。表情にはリハビリに励む強い意志が宿り、「政界復帰は近い」との印象を受けた。

 ここに来て内閣改造を控えた官邸筋から仰天人事情報が流れ出した。次の内閣改造で谷垣氏を副総理に起用する案が検討されているというのだ。

 その背景にあるのが、ライバル不在の安倍晋三首相の前に立ち塞がるように存在感を強めている麻生太郎・副総理兼財務相の動向だ。

 今年5月には麻生派山東派谷垣派の一部が合流することで合意し、7月の都議選後に約60人の新派閥を立ちあげる。最終的には、もともと谷垣氏が所属していた宏池会(岸田派)と合併して分裂している保守本流派閥・宏池会を再結集し、100人規模の「大宏池会」を作って安倍首相の出身派閥である細田派(96人)に対抗する構想だ。
それに対して、合流に慎重な谷垣氏を副総理として重用し、麻生氏を牽制しようというのが狙いとされる。

 しかし、安倍官邸にとって谷垣氏の政界復帰は“両刃の剣”でもある。もともと谷垣氏は自民党リベラル派の“大将格”で、タカ派の安倍首相とは政治思想が対極に位置する。

 党内で加計疑惑の文科省文書を「再調査すべき」と最初に声をあげ、「あせらず、いばらず、うかれず、えこひいきをせず、おごらずの“あいうえお”の5文字を贈りたい」と安倍首相を批判した中谷元・元防衛庁長官は谷垣側近で、派内には安倍批判派が多い。ジャーナリスト・藤本順一氏はこう見る。

加藤紘一さんが亡くなった今、保守本流宏池会の正嫡は谷垣さんしかいない。谷垣さんが麻生派との合流に慎重なのは、自分が入院中に話が進められたからです。宏池会の再結集には反対ではない。政権への風向きが強まる中、ソフトでリベラルな谷垣さんが車椅子で登場すれば人気が高まるでしょう。安倍首相が谷垣さんを取り込むつもりで入閣させても、逆に復活した谷垣さんを中心に岸田派やかつての盟友派閥の額賀派と手を組み、ポスト安倍に担ぎ出される可能性もある」

 党内大乱のきっかけは憲法改正だという。

「谷垣さんは総裁時代、護憲リベラルでありながら石破茂氏ら改憲派とギリギリの妥協をして自民党改憲草案を作った。

それを安倍さんは完全にぶち壊して新たな改正案を作ろうとしている。これは党内の改憲派もリベラル勢力も巻き込んで反旗を翻す大義名分になります」(同前)

安倍首相は副総理から追い出す麻生氏と、新たに閣内に加えた谷垣氏と、政権の外と内に敵を抱え込む事態になりかねない。

 実は、さる4月10日、谷垣氏は病院から麻生氏に手紙を出している。谷垣派逢沢一郎・代表世話人が発表した内容はこうだ。

自民党内に振り子の論理というものがあるとすれば、われわれとしてもそれに備える必要はあると認識している。そのときには、われわれ有隣会(谷垣派)は為公会麻生派)ともしっかりと提携しながら進んでいく必要があると思います。ただ今までの枠を超えて、派閥再編に向かうというところまでは谷垣と麻生先生との間で、そこまでは十分に議論をしていなかったというふうに思います〉

〈もう一度私自身が同志の顔を見て、いろいろな話し合いを、いろいろな議論をしながら方向を定めていく必要があるのではないか。現在の段階ではそのように認識をしております〉

 谷垣氏が復帰する日が、「安倍一強」の終わりの始まりになるかもしれない。

週刊ポスト2017年6月30日号